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35話 持田の奇跡…再び

年があけた1月。


村田事件の熱が冷め始めた頃、12月に実施された全国模試の結果が返ってきた。


なんとオレは5教科総合の点数で全国7位になっていた。


全国模試でのトップ10入りは学校始まって以来の快挙らしく、保護者や教育委員会から散々つきあげられていた校長は、オレと会うなり手を握り“ありがとう”を泣きながら繰り返してきた。


一方、村田、山本、田中の三人は謹慎があけてからも、学校には登校してこなかった。


また馬場さんは、12月末付で懲戒免職処分を受けていた。


そして相変わらずオレの靴箱には“手紙”がおかれ続けている。


現在、一日平均2通のペースで、通算155通の“手紙”を受け取っていた。


オレは、手紙を受け取ってはお断りの手紙を書き返す日々に正直嫌気がさし始めていた。


なあ、スラ。オレに代わって手紙かいてくれないか?


(それはダメっす。伊蔵さんが書くから意味があるっすよ。)


わかってるんだけどな…


(なにかあったっすか?)


明らかに愉快犯的な手紙もあるんだよ。


(それは面倒くさいっすね…)


だろう?


そんなやりとりをしながらも、オレの変り映えしない毎日は、3月の卒業に向けて進んでいく。 


そして1月の終わりにオレは、卒業生代表に選ばれたことを担任から告げられる。


「“持田の奇跡”フィナーレだな。」

と面白くもない冗談とともに、代表として答辞を考えておくように言われた。

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