表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飴と蜜~キオク~  作者: 皇城院・斎藤・田中凛音
2/2

邂逅

 俺は遅刻ギリギリで席に座ると直後に始業のチャイムが鳴り、中年で愛想の悪そうな顔の担任が入ってきた。




「あー、今日は転校生が来てるぞ。入ってこい」




 なんと入ってきたのは俺がさっき弄んだ女だったのだ。さっきのことがなかったかのように服は整っている。




「手短に自己紹介ね」




「黒薔薇宮 輪廻子です。父親の仕事の都合でこの学校に転校してきました」




 彼女の声は名前に劣らず凛々しく、それでいて可憐であった。ただ俺にはその声の奥にどこか虚ろと憎しみが見えたような気がした。




「まぁ仲良くしてやってくれ、えぇっとお前の席は……疾風沢の隣が開いてるな。そこに座ってくれ」




 彼女は堂々とした立ち居振る舞いで男子の目線を奪う。




「あいつ可愛いな」「放課後はデートだな」「俺の女にしたい」などとそんな声も聞こえてくる。




「まぁ、お前みたいな幸が薄そうな奴とは縁がなさそうだよな」




 こいつは俺の前の席の静川だ。執拗に嫌味ばかり言ってくるがいざというときは男らしく、また人情溢れる性格でなかなか憎めない奴だ。




「それはどうかな……?」




「ねぇ疾風沢君、朝のことなんだけど」




 なんと、黒薔薇宮の方から俺に話しかけてきた。まさか彼女は俺に気があるのだろうか。すぐに携帯を取り出しメアド交換できるように準備する。


 


「なんだと!?疾風沢お前!!黒薔薇宮さんと朝何かあったのか!!??羨ましいぞけしからん!!」




「散々遊んでおいて3万円は安すぎるわ。せめて7割増しにしてちょうだい」




 何かと思えば、俺の渡した金が少なすぎるとの不満だったらしい。些細なことだと思ったが周囲を見てみると担任を含めたクラスの目線が俺と黒薔薇宮に集中していた。




「わかったわかった。小切手を渡そう。金額の所に好きな数字を書くんだな。」




 下手に断って大事になっても困るので、小切手を渡すと彼女の顔から笑みが見えた。




「お前も笑うことがあるんだな」




「っ!べっ、別に嬉しいわけじゃないわ!ただ冷たい風が頬を撫でたのがこそばゆかっただけよ!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ