第9話 実力主義のクラス分け
「よろしくな新入り、俺の名はジガン
君の名はなんて言うんだ?」
「僕の名前は日志田 勇磨です
よろしく、お願いします」
「長い名前だなー、よーし今日から君はユーマだ」
ここでは僕のいた世界とは違い、苗字というものが存在してないらしい。
「ユーマ、今日の討伐隊は俺についてくるがいい
なんたって俺は3rdクラスだからな」
「え、今日が討伐隊の日!?」
今日の討伐隊ということは今日は月曜日ということだが、それだとまだ遊園地に行った日と同じだ。
確かに夕方だったはずが青空になっていたが、1日が過ぎたのではなく、何故なのか時間が戻っていた。
いや、この世界とは時間がずれているだけなのかもしれない。
「おいおい分かってなかったのかよ
今は13時だからあと1時間後に始まるぞ」
「あと1時間...ところで、3rdクラスってなんですか?」
「はぁ、あそこの掲示板を見てみろ」
掲示板には4段のピラミッドが描かれている。
1番下の段の中には1stクラス、2段目に2ndクラス、3段目に3rdクラス、1番上に4thクラスと記されてある。
「まずは1stクラスから始まり、活躍すればするほどクラスアップすることができるんだ」
「活躍ですか」
僕は今まであまり目立ったりしてこなかったのもあって、自分から積極的に活躍するとなると自信が持てなかった。
「ああ、だが急がなくても死にさえしなければいつかクラスアップできるだろう
ま、3rdクラスともなると高い実力も必要になってくるがなっ」
「やっぱり見た目通りジガンさんは強いんですね」
「ようやく分かってくれたか、俺のことはさん呼びではなく先輩と呼んでくれ
俺が力を求めるのは4thクラスになると勇者と呼ばれるようになるからでな、俺は勇者を目指してるんだ」
僕は勇者という言葉を聞いてびっくりした。
なぜなら僕が密かに勇者に憧れていたからもあって、プレイしてきたゲームは勇者ものが多かったからだ。
「勇者、ジガン先輩ならなれると思います!」
「ふっ、ありがとな
クラスアップすれば給料も上がるからな、ユーマもがんばれよ」
そのとき受付の奥でなんだかざわつきはじめる。
「ひ、日志田勇磨様、測定の結果が、出ました」
「はい、で、どうでしたか?」
受付の奥がざわつく中、周りの冒険者たちは少し静かになり緊張感が増してくる。
つづく
見てくれてありがとうございます(*´˘`*)