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勇者になることを誓うが人を守れない  作者: T・S
第1章 恐怖に襲われるが冒険心を忘れられない
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第21話 再び冒険へ

「準備はできてるか?

 俺が力の使い方を徹底的に叩き込んでやる」


「よろしくお願いします」


 門の前で警備している人に冒険者ブレスレットを見せた。

「通ってよし

 むやみに魔物の村を襲わないようにな」


 僕たちは昨日行った方向より少し左の方へと進んでいく。


「じゃ、ここからスピードアップといくか

 風魔法の準備はできてるか?」


「たぶんできてます」


 目を閉じて頭の中で風が吹き流れるのを感じると、実際に風が吹き起こっていた。


「まずは遅めに行くからついてこい」


 ジガン先輩が先にどんどん進んでいくのを見て、早く行かなきゃと思い真似るように飛ぶ姿をイメージすると、思い通りの飛行ができた。

 ただジガン先輩との距離を縮められず、離されていくばかりだ。


「おい大丈夫か!?起きろ!!」

 前からジガン先輩の大声が聞こえてくる。


 声の聞こえる方へ向かうと、誰かが倒れているのが見えた。


 急いで飛び寄って治癒魔法の杖を手に取る。

「すぐ治癒します」


 服も体もボロボロでうつ伏せになって倒れている。


 僕は杖を向けて傷が治るのをイメージする。

 すると、目を覚まして驚いた様子で起き上がった。


「良かったーってえ!?」

 治癒したはずが正面はボロボロのままだった。

 しかしボロボロでも昨日冒険者教会で声をかけてくれたミナと名乗っていた人だとわかった。


 すかさず治癒魔法を使って治した。

 イメージが足りないと言うべきか正面の顔や服が分からずイメージすることができていなかったのが原因な気がする。


「わー!すごい!ボロボロだった服まで治ってる!

 これが治癒魔法ってやつ?」


 ミナは立ち上がって軽く頭を下げて礼をした。

「助けてくれてありがとう」


「で、どうしてこんなところで倒れてたんだ?」

 ジガン先輩がそう言うと、ミナは落ち込むような様子を見せる。


「そのー、ゴブリンとの争いで爆発に巻き込まれちゃいまして...」


「それで朦朧(もうろう)として今に至ると?」


「い、いえ、そのときは水魔法でどうにか軽傷で済んだんですけどー

 そのあと村から出たら遠くに人影が見えて、むやみに近づいてしまったざまなんです...」


「その人影の正体はなんだったんですか?」

 気になって食いつくように質問した。


「悪魔...かな」


「襲撃中に村を出ていくのは感心しないが、悪魔とは面白いな

 どれだけの者か試してみたい」


 どこにどんな魔物が潜んでいるかわからないということか。

 悪魔はあのゴブリンたちのように本当は優しいなんてことはないのだろうか。


「俺たちは今から魔物を倒しに行くけど、1人で帰れるか?」


「なら、私も連れていってください!」


「大丈夫か?

 足でまといになるようだったら置いてくからな」


「はい!大丈夫です」


「ミナさんよろしくお願いします!」


「名前覚えててくれたんだね

 ユーマくんジガンさんよろしくです!」



 つづく

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