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勇者になることを誓うが人を守れない  作者: T・S
第1章 冒険心は忘れられない
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第17話 冒険からの帰還

「こいつがここの(ぬし)か?」


「ゴブリンなんてこんなもんだろ」


 そこに姿を見せたのは、勇者であるサリアさんとディザスさんだった。


 展開が早すぎて頭がついていけない。

 分かったことは勇者2人のどちらかが雷を使ったことだけ。


 僕はこれから何すればいいんだろう。

 この絶望すら感じる孤独感。

 何が正解かも分からないで突っ立っている中、辺りの光景や音はどんどん変わっていく。


「あ!ユーマ!お前すぐどっか行っちゃうんだから」

 ジガン先輩が後ろから声を掛けてきた。


「あの大きな穴、ユーマがやったのか?

 やるじゃんか」


「いや、あれは...」


「なに暗い顔してんだよ

 もう今日の討伐隊も終了だ

 帰るぞ」


 全てのゴブリンを討伐し終わったのか、断末魔の叫びは聞こえなくなった。


「あ、あの2人を忘れるとこだった」


 倒れているギレイクに治癒魔法の杖を向けてみるも、何も起こらない。


「全然使いこなせてない

 もっとそいつの傷が治る姿を思い浮かべろ」


 ジガン先輩の言う通りにしてみると、ギレイクの傷が治っていった。


「できた!

 ありがとうございます」


「魔法を使うにはイメージが大事なんだから、ちゃんと意識しろよ」


 エイルの傷も治し終わると、2人は目を覚ました。


「あれ、俺は何でこんなとこで寝てたんだ?」


「おい、あのゴブリンはどこだ!?」


 服で隠れてて傷を見ることもできなかったから、なんとなくで治った姿を想像してみると、効果が現れた。

 というか服の傷まで治ってる。


「俺を治癒魔法で助けてくれたか

 なんでお前が生きてんのか知らねえが感謝しておく」


「やっぱり使えたのか!

 ハハッありがとな」


 僕たちは他の冒険者たちと合流し、元いた村へ帰って行く。

 魔物の村はボロボロになり、ゴブリンたちの死体が際立っていた。


「なぁユーマ、明日の14時にまたROH集合な」


「え、あ、はい」


 受付の人も言ってたけど、冒険者教会のことをROHって呼んでいるのか。


「風魔法を使えるようにしとけよ

 それじゃっ、またな」


 おそらくジガン先輩は、僕を連れて明日も冒険に行くつもりだ。

 しかし風魔法を使えるようにって言われても、武器を買うのにまたリーナにお金を借りるの申し訳ないな...。


 そういえば、現地解散だったからか帰りは人が少なかったけど、みな無事に帰ることができたのだろうか。



 つづく

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