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勇者になることを誓うが人を守れない  作者: T・S
第1章 冒険心は忘れられない
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第15話 荒れるゴブリンの村

「地震!?」


 強い揺れで、周りに小さな地割れがいくつも起こっている。


「おいギレイク!あぶないだろ!」

 エイルは建物の方を向いてそう言った。


 ギレイク、聞いた名だ。

 確か地属性の最大適性を持つ男だとか。


 揺れにより建物が崩れていくと、小さなゴブリンとギレイクが姿を現す。


「そいつ見た目以上の力を持ってる

 気をつけろ」


 ギレイクがそいつと指しているのは小さなゴブリンのことだと思うが、見た目はブスかわという感じだ。

 でも何かオーラも感じる気がする。


「こんなちっこいやつがか?

 崩れた建物で生き埋めにしてやっ...!」


 速すぎる。

 小さなゴブリンが一瞬にしてエイルの腹を殴り、吹っ飛ばした。


 ギレイクは地面に剣を刺し、すかさず大地を操り攻撃するが、全て(かわ)される。


 最後の足掻きかのように、段差を作って転ばせようとするも蹴り飛ばされてしまう。


「くっそお!」


 盾を作って身を守ったが、強力なパンチによって貫通され、ギレイクも腹を殴られて倒れてしまった。


 さっき見たゴブリンたちとは明らかに違う。

 速さもあのグレムリン以上だ。


 僕は闇の短剣を手に持ち、闇の力が体に流れていくのを感じる。

 まだ感覚が残っていたからだろうか、自分の意識で力を取り込むことができた。


 容赦なんてしてる場合じゃないのは分かるが、本当はこのゴブリンも平和を望んでいるのではないかと考えてしまう。


 来た!

 突っ込んでくるのを見て勢いよく剣を振るう。


 タイミングは良かったが、ゴブリンは余裕で躱した。

 のだが、剣を振るった周りに闇の波動が飛び出し、ゴブリンの躱した方へと向かっていく。


 ゴブリンは左手で波動を掻き払うと、右手でお腹を殴ってきた。

 だがやはり、僕へのダメージはほとんどない。


 ゴブリンの手は消え、体も闇に包まれている。


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、人間めぇぇ!!」


 この力はもしかしてチート能力なのではないかと思ったそのとき、ゴブリンに異変を感じた。


「人間、人間、人間」


 小さかったゴブリンの体がどんどん大きくなっていき、手も再生し、ゴツゴツの体を持つ化け物へと変異していく。


「人間の親玉か、名を名乗っておく

 我はゴブリンキング、この村を治める者」


「キング!?ま、待って

 親玉なんかじゃないですし、話せば分かりますって」


 包み込んでいた闇は消え、さっきとは豹変して威圧的な見た目に顔つきまで変わっていた。


「平和な村を作ってしまった我の責任

 村を脅かす元凶は排除する」


 今ならはっきり分かるこの強いオーラ。


 もし闇の力が効かないとしたら攻撃が通用しないどころか、攻撃を食らえばもう闇は守ってくれず死んでしまうのではないか。

 そう考えてしまい怖くなってきた。



 つづく

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