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勇者になることを誓うが人を守れない  作者: T・S
第1章 冒険心は忘れられない
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第11話 早速の冒険準備

「鍛冶屋に行ってきますっ!」


 僕は逃げるように冒険者教会の入口を出る。


 勇者になるために必要なことはなんだろうか、深く考える前に隣の鍛冶屋に着いてしまった。


「いらじゃい、ってようやく来たか

 ほら、それ見してみろ」


 鍛冶屋のケンゴウさんは僕の冒険者ブレスレットを指さす。


「どうも、お願いします」


 僕は左手を前に出してブレスレットを見せる。


「どれどれー、...ぁぁあ!?

 全ての属性が最大適性だ!?」


「そ、そうみたいですね」


「いやいやいや、リーナが連れてくるやつはみな魔力量が少ないくせに適性だけは優れていたが、魔力量0に全適性なんて極端すぎるだろ

 いや、少ない魔力量なんかがあるより適性が優れてる方が優勢か?だが魔力量が0ともなると...」


 リーナが何人も連れてきてるということは、僕と同じ世界の人が何人もいるということだろうか。

 でも僕には魔力がないのに他の人にあるのはどうしてなんだ?


「俺の店にはいろんな装備があるからな

 自分の好きな物を選ぶといい」


 武器だけでもすごい量が置いてある。

 その中で魔力の込められた武器は、ざっと数えて半分の100種類ほどだ。


「こんなにもたくさんの武器...どれにしよう」


 見ていると黒と紫のカッコいいデザインの短剣に一目惚れした。


「この剣、すっっごいカッコいいぃ!

 これにします!」


「闇属性武器か、いいチョイスだ

 高価な武器だが金は持ってきたか?」


 僕は持っていたバッグをドスンと下ろして中を見せる。


「な!?こんな量の金どこで!?

 いや、まあいい、そんなに持ってんなら予備の武器も買ってったらどうだ?」


 この莫大な量の金貨を全部使っていいのか分からないが、とにかく備えあれば憂いなしとも言うし買っといて損はないと思った。


「君にぴったりな武器がある

 これは業火の短剣だ

 そしてこれは治癒魔法の杖、これがあれば十分だろう」


 これで汎用的な攻撃に回復も備えられると思い、買うことに決める。


「武器は決まったので次は防具ですね」


「防具はさっきリーナに勧めるよう言われたのがあってだなぁ、これなんだが、動きやすさと耐性に優れている硬めの生地が使われているものだ」


 見た目もいいし文句の言いようがないが、防具にこんなフードが付いたパーカーがあることには驚きだ。


「こんなのもあるんですね」


 思い出してみると、確かに冒険者教会にいた人たちもゆるい服を着てる人が多くいた。


 その後流れで同じ生地が使われているという長ズボンも買うことになった。


「装備が整ったことだし、更衣室があるから着替えて来るといい」


 更衣室で着替えてみると、ズボンには武器を付けて持ち歩けるように仕組みが施されていることを知る。


 着替え終わった後には、リーナがどうしてパーカーを勧めるように言ったのかを理解できた。


 もちろん顔を隠すためだ。


 あの男が冒険者だとしたら討伐隊に参加するはず。

 まあもしこの村に居たらリーナも気づくはずだが、念の為常にフードを被っとくことにしよう。


 僕は更衣室の鏡を見て呟く。

「準備万全、これから冒険が始まる...のか」



 つづく

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