第1話 新高校2年生
「ま、魔王の軍勢だぁぁぁ!」
「勇者様はどこへ!?!?」
「ギャァァァ!!」
︎ 悲鳴が飛び交う中ドーンッという音が村全体を覆うように鳴り響く。
「はぁ、この世界の勇者どもは同じ人間まで見捨てて逃げるとは...まあ逃がさんがな」
ドカーーーンッそんな大きな音と同時に悲鳴が鳴りやんだ。
「これでこの村も終わりだ」
僕は魔王をしている。
そして今何百もの人を殺した。
なんでこんなことをするはめになってしまったのか。
人を助けると誓ったはずなのに...
感情に任せすぎたのだろうか。
それともこれでいいのだろうか...
―――――――――――――――――――――――
【異世界で勇者になることを誓うが人を守れない】
僕の名前は日志田 勇磨16歳、今日から高校2年生。
高校生活もあっという間に過ぎていくのを感じていた。
しかしそのあっという間に楽しい思い出があふれる充実した高校生活を歩んできた。
「勇磨~!おひさ~!」
友達の炎城 涼太が勢いよく飛びかかってくる。
「おひさ~涼太は相変わらず元気だな」
「春休み中旅行満喫エブリデイだったもんで」
そんなに楽しかったのか、少し寂しそうな顔を見せる。
それに比べて僕は布団でゴロゴロしたりゲームしたり...そんな退屈な春休みが終わり、ホッとしていた。
宿題をやり忘れてることにも気づかずに。
───────────────────────
キーンコーンカーンコーン
───────────────────────
「はぁ、今日は怒鳴られてばかりだ...」
「あはは、この学校は宿題に厳しい先生が多いからなー
でもまた同じクラスなんてサイコーだね!」
また楽しい学校生活が始まるワクワクを感じて、僕たちはニコニコしながら廊下を歩いていく。
「あ!いたいたー!勇磨ー!涼太ー!」
彼女の名前は星川 柚美。
柚美とは幼稚園の頃からの友達で、いつでも一緒に居たほどの大の仲良しだ。
ちなみに涼太とは去年仲良くなった。
涼太は目をキラキラさせて言う。
「そうだ!いつメンも揃ったことだし、これからどこか遊びにいかない?」
僕はその言葉に待ってましたと言わんばかりに即答する。
「いこーいこー」
「じゃあ2週間前に開園したばっかりの遊園地いかない?そこなら歩いてもすぐだよ!」
柚美の提案はすごく嬉しかった。
なぜなら僕は春休みの間、柚美をその遊園地に誘おうか悩んでいたからだ。
仲がいいとは言え、僕の彼女ってわけでもないのに、男女で2人きりの遊園地なんてそんな勇気はなかった。
他の人も誘うとか考えたが、涼太は旅行へ行ってたし、他の友達は...まあいないこともないが、友達と言っていいのかも分からない仲だった。
友達と言える人が少ないのは、ずっと柚美と一緒にいたからみんな近づきがたかったのと、自分から友達を作ろうと思わなかったからだろう。
そう考えると涼太は特別な存在と言えるのかもしれない。
入学してすぐという理由もあると思うが、積極的に近づきにきたからな。
そして遊園地に現地集合が決まった。
つづく
こんな小説を見ていただきありがとうございます
つづきも見ていただけたら僕が喜びます( ˙˘˙ )♡