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TS魔王の『モン娘』ハーレム綺譚  作者: 九條葉月
第二章

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第2章 エピローグ

 エピローグ



 さて、『私を倒してからにしろ!』と騒いだ騎士爵のレニだが、10回ほど手合わせをしたら俺とエリザの結婚を認めてくれた。


「……手合わせではなくて、ボコったと言った方が正しいのでは?」


 はいタロン、人聞きの悪いことは言わないように。剣と剣を交え、お互いの深いところで人となりを理解し合っただけだから。あまりにも諦めないから最後の方は二刀流を使ったが、決してボコってはいない。レニに剣を振るう暇も与えなかっただけだ。


「世間一般ではそれをボコると言います」


 だいたい、嫁たちが口を揃えて『高潔な魂を持つ』的な評価をしてくれる俺が、美少女をボコるはずがないだろう?


「……お姉ちゃんはあんなにも綺麗な魂を持っているのに、あの容赦のなさは何なのでしょう……?」


 タロンの呟きは聞こえなかった。不思議だなー。





 カインの呪いはかなり長期間彼女の身体をむしばんでいたようで。呪いを断ち切ったあとも身体に影響が残っているらしい。具体的に言えばまだうまく動けないそうだ。


 というわけで、カインはここ数日『リハビリ』のため居館に滞在していた。毎朝リハビリを兼ねて俺と姫たちの鍛錬にも参加している。


 鍛錬の意外な参加者としてはレニか。あれだけボコった――じゃなくて、実力の差を見せつけたのに、毎日毎日『ご教授お願いします!』と俺に勝負を挑んでくる。


 うん、正直、こういうやる気のある人間は大好きだからな。愛弟子レベルに色々と教え込んでいたりする。


「……浮気の気配がいたしますわ」


 鍛錬を見学していたエリザがつぶやいた。

 そんな気配察知能力、捨ててしまえ。


 まぁ、フルフェイスの兜を取ったレニはエリザに負けず劣らずの金髪美少女だったからな。エリザが心配してしまう気持ちも分かる。

 特にこの世界の女性は長髪ばかりだから、騎士として肩口で切りそろえられた髪型はとても新鮮に感じられて――


「やはり浮気ですわ! 浮気の気配がしますわ!」


 レイピアを引き抜いたエリザはレニに向けて『ラークを娶りたければわたくしを倒してからにしなさい! ですわ!』とかほざいていた。


 ……類は友を呼ぶ?


 あと、俺が娶られるのか?


 訳の分からないうちに女の戦い(?)をはじめた二人からは全力で視線を逸らす。と、そんな様子を眺めながらカインがくすくすと笑っていた。


「神子ちゃん――いや、エリザ君は楽しそうでいいね。ヒングルド王国にいた頃が信じられないよ」


「あれが素なんだろ。王妃候補だったんだから演技くらいしていたんじゃないか? ま、今となってはそんな演技も必要ないだろうが」


「今は紛れもなく真王(・・)妃だろう? だというのに素の状態でいられるのだから、やはりエリザ君にとってはこの国で過ごす方が幸せなんだろうさ」


魔王(・・)妃ねぇ……。俺は王様になるつもりはないんだが」


「では、キミはどういうつもりでジーン族を受け入れたんだい?」


「困っているみたいだからな。こちらに不利益はないんだし、受け入れない方が不自然だろう?」


「これからも、困っている亜人(・・)がいたら受け入れると?」


「そうさなぁ。困っている()がいるなら受け入れるさ。もちろん、俺の『器』の範囲内でな。ま、正直言うと嫁たちとジーン族だけで手一杯なんだがな」


「キミの器はかなり大きいと思うけどね?」


「そうか? お前さんが思っているよりは小さいと思うぜ? 守ると決めた女一人守れなかったんだからな」


「……それは、噂に聞く前世のお話かな?」


「おっと喋りすぎたか。別に秘密にするつもりはないが、さすがに気恥ずかしいからな。そういう話は酒が入ってからにしてくれや」


「では今夜を楽しみにしておこうかな。……そういえば、エリザ君はヒングルド王国の王太子たちを恨んでいないようなのだけど、ラーク君から見てどうだろうか?」


「王太子……? あぁ、エリザを捨てたという元許嫁のことか? そうさなぁ、出会ったばかりの頃は復讐に協力してくれーとお願いされていたんだが、最近はそんな話も聞かないな」


「キミほどの力があれば王太子の暗殺くらいできるだろう? エリザ君の境遇を聞いて、協力してあげなかったのかい?」


「…………」


 舞い散る雪を思い出す。

 しんしんと。

 どこまでも静かに。

 何よりも美しく、何よりも悲しかった、あの光景を。


 若い女が、復讐に身を焦がす様を見たくはない。


「……買いかぶりすぎだろ。さすがに一国の王太子なんて簡単に暗殺できるもんじゃない。それに、赤の他人のためにそこまでやる義理はなかったしな」


「今のエリザ君はキミのお嫁さんだ。そんな彼女が復讐を望んだら、協力してあげるのかい?」


「いや、今のエリザは復讐なんぞ望まんだろう」


「では、質問を変えようか。嫁となったエリザ君を貶め、裏切り、死に追いやった連中を……キミは、許せるのかな?」


「…………」


 特段変わった反応をしたつもりはない。

 ないというのに、カインはまるで地獄の底で閻魔に出会ったような顔をした。


 まったく失礼なヤツだ。


 それに、そんな問いかけになど意味はない。


 許せるかどうかなんて、そんなこと、決まっているのだから。






 レニさんはあの歳(エリザと同い年)で騎士爵に叙されるのですから、かなり優秀な騎士です。ただ、ラークが規格外だっただけで。



プロットの練り直しなどするので次回は4月7日更新予定です。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さん、更新はお疲れ様です! ラークさん、男前です! しかし偶には女々しい所が欲しいかもw エリザさん、正に「類は友を呼ぶ」ですw まさか昔の王国はそこまで良い国とは思わなかった。勇者さ…
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