マユキは煙だまを考案する。
冒険に出かけると決めた次の朝、ジークがマユキを迎えに来て、一緒に学校に向かう途中に冒険に向けての話が盛り上がる。
「なぁ、マユキ、ジムの武器何とかならないか。パチンコだけではちょっと弱いような援護にしても気がするんだが。。。どうだ?」
「そうか?、パチンコで攻撃しても結構効くと思うけど」
マユキはジークと話し合う、パチンコの玉を石にして攻撃すれば当たれば痛いし、注意を引くことも出来るからよいのではないかとマユキが話すと、ジークはあたってもただ痛いだけで注意を引いてジムに攻撃が向かうのではないか、そうなると、ジムには攻撃を防ぐ手立てがなく厳しいというものだった。
それだと、ジニーの弓も一緒ではないかという話になってけど、弓矢は一応、致命傷にダメージを与えることが出来るからいいんじゃないか。。。どうだろ??という話になった。
とにかく、ジムの武装については考えなおさないといけないということで話は纏り学校が終わったらアジトで集まってみんなで考えようという話になった。
「ジムとジニーの話は放課後でいいとして、ミーナはいいのか?一応女子だし危険なことさせたくないんだが・・・」
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沈黙の後、ジークが情けない顔をして
「ミーナは、大丈夫だよ、女子だけど良いアビリティーとスキルを持っているから、、、、それに、ミーナは俺らより数段強いとおもうぞ。」
「えぇ~、でも、気配の探索や隠匿できるだけだから強いのとはちょっと違うような気がするけど、まあ、あぶなくなったら隠れて逃げてもらえばいいか。」
「そうそう、ミーナには自由にしてもらおう。」
マユキの言葉を聞きジークの顔がパッと晴れる。
マユキは『オイオイ、ミーナさんジークになにをしたのだい?』ってことを考えながら、学校に向けて歩いて行く。
そして、放課後、マユキ、ジーク、ジム、ジニーはアジトにあつまった。
ジニーのパチンコの威力について検証してみようということでアジトのそばの空き地にでてパチンコを試射してみようということになった。
パチンコは大人の手のひらより一回り大きな位のYの字の形をした枝に、ダイアラットという小さなねずみの形をした魔物の伸縮性のある髭をYの字の先端につけ、それを引っ張り放すことで玉を放つをいうおもちゃというか武器である。これが、ダイアラットの髭ではなく魔力の付与された紐であればそれなりのダメイジを与えることも出来るのだろうが、子供が持つようなものでもないし今はまだ無理であろう。
「ジニー、とりあえず小石をたまにしてあの木めがけて打ってみてくれよ」
ジークは空き地の隅に生えている木を指差す。
ジニーから距離にして10メートルぐらいだろうか、ジニーは木めがけてパチンコを射掛ける。
小石はパスッという音がして木命中した。ジニーはなかなか上手くパチンコを使えるようだ。しかし、これだは魔物にあたっても少し痛いだけでたいしたダメージを与えることは出来そうにない。どうしたものかと、みんなで考える。
「みんなでお金を出し合っていいパチンコを買うか??」
ジークがつぶやいた。
それを聞いたジムが
「それは無理だろいいパチンコはすでに下級ではあるがマジックアイテムになるから俺らの手にはあまるよ、これから、ゴブリン退治をしてお小遣いをためてからなら何とかなるかもしれないけど今はまだ無理だ。」
「マユキ何かいい考えないか?」
ジニーがマユキに問いかける。
ウーンとマユキはうなりながら考えをめぐらせる。暫らくして
「パチンコでダメージを与えようとするのが間違ってるんじゃないかなぁ。ジニーのパチンコは所詮子供の玩具だしパチンコでダメージを与えるのはあきらめて・・・」
マユキの説明はこうだ、ジニーのパチンコでダメージを与えるのは無理だからはじめから攻撃に補助または、相手の攻撃や行動の妨害に徹したほうが良いのではないのかということだった。たとえば、強烈なニオイの液体を小瓶に入れて発射するとかで魔物の動きをとめたり、何か煙の出るようなものを入れて発射して煙幕のかわりにするとかで攻撃対象を見失わさせるとかだ。
だがそうなると、まだ子供である自分たちには小瓶や強烈なニオイをした液体、煙が出るような何かを用意できるわけでもなくダメか。。。となっていたときにジニーが
「前に、家の手伝いで釜戸で火を起こしていたんだけど、そのとき、火と間違えて釜戸の中の灰に間違えて息を全力で吹きかけてしまったんだそしたら、すごい埃というか煙がでてひどい目にあったんだけど灰を相手にぶつけたら目くらましにならない?」
四人が目を合わせていいじゃないか、早速、作ってみようということになった。
ジニーは自宅に帰り灰を取ってくることにその間に3人が煙球の製作になにが必要か考えなにが必要か考え用意することにした。
まず、第一に灰を何につめるか考えることにした。小瓶は何個かは用意できるかもしれないけど、もしかしたら当たっても割れないかもしれない。紙は高価で手が出ない。そうなるといらなくなった薄い布になるけど都合よく手に入るとは限らない。とりあえず、葉っぱに包んでやってみようということになった。
ジニーが戻ってくる前に灰を包んでしまえるような葉っぱを用意し、そして、アジトを探してボロ布を3枚ほど見つけてきた。そのボロ布をほぐして糸を取り出した。とりあえず、葉っぱの玉と布の玉のたましうちができそうだ。
ジニーが袋いっぱいに灰をつめて戻ってきた。
とりあえず、葉っぱの玉を作ってみることにしたのだが作ってみるとどうにもこうにも大きくなりすぎてパチンコから放つことが出来なさそうだ、試しに使ってみたのだが木に向かって打っても木まで届かず途中でおちてしまった。玩具のパチンコの推力では難しいようだ。ただ、この葉っぱの煙球を投擲してみるとなかなかいい煙幕になることがわかった。ジークが悔し紛れに木に向かって投げつけると葉っぱに煙球は木に当たって弾けあたり一面灰だらけの煙が立ち煙幕として使えるのではないかということになった。
次にボロ布をつかって煙球を作ることにした。
ジニーが家事のスキルをつかってパチンコの玉に使えるくらいの小さな袋を作りその中に灰をいれてみる。
なんだか、軽そうなので灰と一緒に小石を入れた物も用意してみた。いくつかの大きさと小石なし、小石ありのパターンでボロ布がある限り玉を作って試射ということになった。
まず始めは、小さめの小石なしを試射してみた。すると、やはり軽すぎるのか途中で落ち布の玉が割れることさえなかった。これは、石なしはダメだなということになり小石の入っている玉で試射してみた。
これは木まで届き玉は破裂し小さな煙が出た。
これだということになり重さ大きさを変えた玉を試射してみて何とか形になったものを用意できた。
ジニーにはこれでゴブリンを攻撃してもらい動きが止まったところをジムが弓をいるということになった。
最悪、外れても葉っぱ煙玉を使って煙幕をはり逃げることが出来るだろう。その間に、ジークが援軍に駆けつけて何とかなるんじゃないかというはなしになった。
ジークが葉っぱの煙玉を眺めながら
「しかしなんだなぁ、煙玉かぁこれが一番役立ちそうだけど、山ほど作っとくか!!」
残りの3人もうなずき大量にストックを作りその日は解散した。
マユキは家に帰りいつもの日課を終えベットに転がりながら冒険のプランを考える。