マユキは素振りを始める
微妙な雰囲気がアジトに漂っている。。。
ミーナは少し悪い顔になり、それを見たほかの4人は少し情けない顔になる。
暫らくの沈黙の後、ミーナが話し始める。
「マユキに何かあったら、オーデラ商会は大変なことになるから、マリリンさんが『マユキのことしっかり見守ってね!』って言ったから、私はマユキのことを見守ってるの、まさに、あのアビリティは天恵だとおもってるのマユキは私からは逃げられないから覚悟しておいてね」
再び、ミーナは少し悪い顔になる、それを見た他の4人はさらに情けに顔になる。
「さあ、あなた達そんな情けない顔しないで、冒険の話をしましょうよ。」
ジークは表情をパッと変える。
「そうだった、冒険の話をしよう。マユキとミーナのことは皆で応援するとしてカードマの森にゴブリン退治に出るでいいような!」
「ちょっとまてジーク、その前に、いろいろ言いたいことがる。」
「「「「却下!!」」」」
マユキ以外の全員がハモル。
「「「マユキとミーナの問題だ、俺たちを巻き込まれないでくれ」」」
何かにおびえたような目でジーク、ジム、ジニーは訴える。
アジトを静寂が支配する。
狂気に満ちた顔でミーナは、、、、
「もう一度言うわよ。冒険の話をしましょう」
「「「はい!!!」」」
ジーク。ジム、ジニーは気持ちいい返事で答える。
「え~~~~~~~~~~~~っ」
マユキは大声を上げるが、他の4人は完全にスルーで冒険の話を始めようとする。マユキなんか納得できないまま話に参加する。
「パーティを組んで冒険するからには。。。まずは、パーティの名前とリーダーを決めないといけないよな」ジークは満面の笑みで発言した。
それから、一時間ぐらいしてもパーティ名が決まらずパーティ名は各自後日に持ち越しということになった。リーダーに関しては全員一致でジークに決まった。
冒険の作戦については、ミーナが索敵に出てハグレのゴブリンを探し全員で戦うということになった。
PCを見た感じジークだけでゴブリン2,3匹は余裕ぽいので、ジークを主軸に攻撃してあとはマユキの魔法で遠距離攻撃、ミーナ、ジム、ジニーは投石、弓矢などでゴブリンをかく乱してジークをなるべくゴブリンと一対一になるようにして各個撃破で行こうということになった。
続いて武器をどうしようかという話になった。
ジークは剣術を習いにいっているので片手剣を自分で持っているのでそれでよしということになった。
マユキは魔法を使うので武器は無くても言いのだが、何かの役に立つかもしれないので自宅の素振りようの木剣を持っていくことにした。
ミーナはなぜだか知れないけどアサシンダガーを持っているというのでそれで。。。ということになった。
ジニーは、アジトに捨ててあったぼろぼろの弓矢を修理してそれをもっていくことに、
ジムは、おもちゃのパチンコがあるので、玉を工夫して攻撃補助することにした。
冒険の実行日は今から十日後の学校の休みに決まった。
それまでは、各自、冒険の準備にいそしむことに決まって、おのおの自宅に帰ることとなった。
マユキとミーナとジークは帰る家が同じ方向なので一緒に帰ったのだが、先ほどのミーナのアビリティのことでいろいろ気になるマユキはミーナに話しかけたいのだがジークが冒険のことで大興奮してその話に持っていけないでいた。そうこうしている内に家についた。
「じゃあな、また、明日な!!」
ジークは自宅にはいっていく。。
「ミーナ、ちょっと話があるんだけども・・・」
かぶりぎみに、ミーナが、
「じゃ、マリリンさんのお手伝いするから、また後でね。」
そういって、オーデラ商会の裏口の方に走っていった。マユキはポツンと残された感じになって、ハァ~を深い溜息をひとつつき、お店のほうからはいっていく。
「ただいま帰りました」
坊ちゃんお帰りなさい、従業員から声を掛けられる。マユキは父親であるロイの所在を尋ねる。
「旦那様はもうご自宅に戻られましたよ」
「そう、ありがと」
と声をかけるとマユキも自宅のほうに入って行く。
お店を抜けて自宅にはいる。そして、ロイの部屋に向かって行く。
コン、コン、、、ドアをノックする。
「お父さん、マユキです。」
「おお、マユキか入ってこい」
ドアを開け、ロイの部屋にはいる。そこには、大きな鏡の前でポージングする筋肉バッキンバッキンの男がいた。もちろん、マユキの父親であるロイ・オーデラである。
「お父さん、恥ずかしいからやめてよ自分の筋肉見てうっとりするのは」
「いいじゃん、自慢の筋肉なんだから、マユキもそのうちこうなるよ」
マユキは絶対にそうならないとおもいながら
「お父さん、お願いがあるんだけども」
「マユキがお願いとは珍しいな、いってみろ。」
「今日から、剣術を教えてほいんんだけどいい?」
ロイは目をキラキラさせながら、
「お~、やっと筋肉のよさに目覚めたか、マユキは母さんにべったりで魔法を習ってから筋肉に興味ないのかと思ってたぞ父さん寂しくてなぁ」
マユキは少し困り顔で「いや、お父さん筋肉には興味ありません」ときっぱり断った。
「そうか、残念だ筋肉にはさほど興味はないか、、、で、どの筋肉をパンプアップしたいんだ」
少しの沈黙のあと「冗談だよ、父さんはマユキが母さんばっかりに教えを請いにいってたから、剣には興味が無いのかと思って寂しかったんだよ。さあ、今から中庭に出よう。」そういうとロイはマユキを中庭ににつれだす。
ロイは素振り用の木剣に重りをつけたものをマユキに渡し「父さんのやるように素振りを死ぬほどしろ」といってロイは木剣を中段に構えそして気合とともに少し踏み込み上段から中段に木剣を振り下ろす。
ロイの素振りはとてもスムーズできれいであった。
「マユキこれくらい出来る様になったらまたいって来い、そうしたら、つぎの段階に移ろう」
「ちょっとまって、お父さん、剣術教えるのっていまのだけ??」
「仕方が無いなぁ、少しでだけ説明してやるか、父さんの師匠は重い棍棒渡されて素振りしてろって言わただけで一年放置だったぞ」
ロイ曰く、剣術の基本は一瞬の踏み込みと剣先のスピードだそうだ、とにかく剣先のスピードさえあればある程度の相手には勝てるそうである。妙に型や技に力を入れる門下もあるがそんなものは剣術のスキルがついてしまえば後でどうとでもなるし、技を使っている間にすばやい剣で斬ってしまえば大抵のものには勝てる。だから、とにかく間合いをつめるための踏み込みと剣先のスピードをあげるこれだけやっておけば自分自身も守れるし強くなる一番の近道だそうだ。
「もう一度、見本を見せるからよく見ておけよ。」
踏みみ込み、そして、振り下ろしの瞬間の姿勢、流れるような動作は無駄なく美しい。
ロイはそういうと分りやすくゆっくり素振りをして見せてくれた。ゆっくりとした動作ではあるが無駄の無い流れるような動きはよどみなく美しかった。それは、ロイの剣術が達人の域に達している証拠である。
「マユキこれから、ひと月毎朝、朝食まえ一時間俺と一緒に素振りだ分ったな。」
この日から、マユキは朝食前と夕食後の素振りが日課に加わった。
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この時点のマユキの日課はこうだ、朝、日の出の少し前に起き魔法陣の勉強する。そして、ルーン語辞典を1ページ覚える。それが終われば、中庭に出てファイアをMPがなくなる少し前ま打つ、そして、朝食まで素振り、朝食を食べ学校、学校が終われば夕食まで友達と遊ぶ、そして、夕食、素振り、魔法をMPがなくなるまで打つ、勉強、ルーン語を覚える、就寝。このサイクルが続く