マユキは自分のパーソナルカードにガッカリした。
初めての執筆・投稿です。
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マユキは、ベットの上にころがって自分のパーソナルカードをまじまじと見つめている。
マユキのすむマルダイ王国では、12歳になると国民の義務としてパーソナルカードを制作、携帯させている。パーソナルカードは、個人の血液をあるマジックアイテムに垂らす事によって個人の能力をカードをリンクさせ制作する事が出来る。このパーソナルカードは個人のステータス、職業、スキル、天啓を表示するだけでなく、銀行の預金、収入、住所なども記載する事が出来る。それ故、マルダイ王国ではこのカードを使い国民に納税、教育、労働の義務を徹底する事が出来、小国ながら列強国に挙げられる国になっている。
マユキはこの日、12歳の誕生日を迎え意気揚々とパーソナルカードセンターに向かった。 向かう途中色々考える自分のステータスはどんな素晴らしいものかどんな素敵なスキルを持ってるいるのか期待で胸がいっぱいだった。学校のクラスメイトの何人は先に12歳の誕生日を迎えているパーソナルカードを持ってる。その子達にカードを見せてもらったが大したものではなかった、しかし、自分だけは特別だと思っている。それは何故かというと、マユキの両親が特別だったからだ。
マユキの父親のロイは一流の剣士、母親のマリリンは一流の魔女であり二人はAランクの冒険者だったからだ。そんな二人の子供である自分は特別に違いないと確信していた。
マユキはニコニコしながらパーソナルカードセンターに入館していき受付をすます。
王都中から12歳の子がやって来るので、受付付近は子供だらけだ、カード制作の順番待ちの間マユキは知り合いがいないかキョロキョロと周りを見渡す………すると、その中に一人、とても12歳とわ思えない体格のの少年がいた。
「おい、ジーク!!」
マユキがその少年に声をかける。ジークと呼ばれた少年は身の丈は成人男性の高さと同じぐらい胸板は厚くガッシリとしている。そして、何より特徴的なのはその燃えるような赤い髪、その整いすぎた顔だちだった。
ジークはふりかえると、マユキを見つけ改心の笑みを投げかける。
「よー、マユキお前も今日登録しに着たのか?」
「おう、ジークはもう登録終わったの?」
「終わった、見てみるか。。。。」
そういうと、ジークはパーソナルカード(以下PC)をとりだしマユキに見せる。
名前 ジークフリード・アレンキング 年齢11歳 職業・学童
パーソナルLv11
HP:100/100 MP:11/11
【ステータス】
力:30 魔力:0 知力:10 体力:50 素早さ:20 運:50
【スキル】
【アビリティ】体力増
マユキはPCを覗き込む・・・
「すげぇ。。。」
「ちょっとしたもんだろ、オレ、騎士を目指すよ」
ジークはニコニコ顔だ。
大抵の基本能力は、ほぼ 年齢=PLv=能力値(運を除く) なので、12歳ならば各能力が12前後なのだがジークの身体能力は12歳にしてはずば抜けていた。魔力は無いが騎士を目指すには十分であった、というかもうすでに見習い騎士ぐらいの身体能力があった。
「いいなー、これっだたら少し鍛えたら騎士見習いの試験いけんじゃない?」
「そうだよな!いけそうだよなっ!!」
「うっ、うん。。。。」
マユキは大興奮のジークに少し引き気味だったが、それでも近しい友人のうれしそうな顔は喜ばしいのかニコニコしている。
「ジーク、ちょっと待っててくれよ、登録済ましてくるから一緒にかえろうぜ。」
「おう、ここで待ってるからいってこいよ」
マユキは受付のほうに走って行く。。。。。しばらくして、微妙な感じのマユキが戻ってくる。
「どうだった、PC見せてくれよ・」
マユキはジークにPCをみせる。
名前 マユキ・オーデラ 年齢12歳 職・学童
パーソナルLv12
HP:20/20 MP:13/13
【ステータス】
力:12 魔力:1 知力:12 体力:12 素早さ:12 運:47
【スキル】
【アビリティ】
ジークはマユキのPCを見ると驚きの声をあげる。
「おい、魔力がついてるじゃねえか!すげぇ!!」
「すごいっていっても、魔力1だし、、アビリティもない。。。そのほかの数値も平凡そのもの。。。。がっかりだよ。」
「なにいってるんだよ。魔力だせ、魔力!!魔法が使えるだぜ、 、魔法!!!」
そう、この世界で魔力を持つ人間はそう多くはいない、この国の首都のPCセンターでもたくさんの子供たちが登録しに来るが年に数人程度しか魔力もちは現れない。だが、マユキとしては魔力があるのは当たり前、特別なスキル・アビリティ、高い魔力を持っていると信じていたからだ。自分は特別という実に子供らしい考えでいたのでがっかりしていた。
帰り道でもジークは興奮した様子でマユキにはなしけける。はやく魔法を覚えて冒険に出ようとか、オレこのまま見習い騎士の試験受けてもいけるなのかとか、とにかく大興奮だ。マユキとしてはひとつでも身体能力向上のアビリティがあるほうがうらやましいようだが、ジークの話をだまって聞いていいる。
そして、二人がマユキの実家であるオーデラ商会についた。
「じゃ、また明日、学校でな、ばいばい~」
ジークは隣の自分の家に帰って行く。
「ただいまかえりました。」
マユキはお店の裏門から自宅に入り帰宅の挨拶をする。
「お帰りなさい、マユキ、PCセンターどうだった?」
30代後半の金髪美女が声お掛ける。無論、マユキの母親であるマリリンである。
「お母さん、僕はガッカリだよ。」
マユキは母親にPCを見せる。マリリンは満面のえみでマユキにはなしかける。
「マユキ、すごいじゃない魔力がついてるよ。」
「でも、アビリティもスキルもない、、、お母さんみたいに優秀な魔法使いになりたかったのにこれではなれない。ステータスも平凡だから、お父さんみたいに一流の剣士にもなれそうにもないし、、、、、がっかりだよ」
マユキはさびしそうに自分のPCをみつめる。そんな、マユキをみてマリリンはこう語りかける。
「マユキ、そんな顔しないで、そのステータスはお母さんが始めてPCをもらったときとほぼおなじステータスよ。それにお父さんのステータスはひどかった。。。。でも、あきらめずに努力すれば、なんにだってなれるの、、、、でも、魔力だけは、生まれもってのものだから努力ではどうにもできない、マユキのその魔力1はどんなスキル、アビリティにも勝るのもだから笑顔になって!!さぁ、今日はマユキに魔力があったお祝いをしなくちゃね。」
「ほんとに?」
マユキはマリリンのほうを向き小首をかしげる。
「ほんとよ、さぁ、今日はお祝いするから、お父さんとクラークに早く仕事を終わらせて頂戴っていってきて、あと、ミーナちゃんとアイリスちゃんにお手伝い」おねがいっていってきて。」
クラークはマユキの父親であるロイ、母親のマリリンと一緒にパーティを組んでいた元冒険者でいまはロイの営むオーデラ商会の大番頭である。オーデラ商会は王都では中堅どころの魔法関連のお店である。簡単な魔法具などを製造・卸・販売などしている。
マユキはお店に行きクラークに声を掛けそして、お店の裏のクラークの家に向かう。
いつものように勝手に上がりこみ、ミーナとアイリスをよぶ。
「ミーナ、アイリスぅ~、お母さんがよんでるよー」
ミーナとアイリスは二階から降りてくる。ミーナはマユキに声をかける。
「PCセンターどうだった~?」
ミーナとアイリスはクラークの娘でマユキとは兄妹のようにして育っていた。
ミーナはマユキと同い年の12歳で小柄で町に一人はいる栗毛の美少女である。性格はややきつめだがマユキに好意を寄せているのかフレンドリーである。
ミーナの妹のアイリスは6歳で同じく栗毛の美少女である。アイリスはマユキ大好きで今もマユキのあしもとにまとわりついている。
「ガッカリのPCだよ」
マユキはミーナにPCを見せると、先ほどマリリンとやったやり取りをくりかえす。
「まぁ、とにかくマリリンさんのお手伝いに行ってくるよ。いくよ、アイリス。」
ミーナとアイリスはマユキと家に帰って行く。
マユキは部屋に戻りベットの上にころがって自分のパーソナルカードをまじまじと見つめている。
まだ、猫の手をかりるまでしばらくかかりそうです。