幕間
かなり短い…。次からやっと街に行きます
そして、自由気ままに
吹っ切れると、何だかゲームの世界に来たような現状に楽しくなって来た。
今まで裕福とは言えなかったし、学生時代はバイトや勉強、社会に出てからは仕事に忙殺される毎日で、自分の好きなことだけして過ごせる時間が少なかった。だから今が楽しくてしょうがない。
朝は好きな時間(と言っても、大体朝の八時ぐらい)に起きて、朝ご飯を済ましたら午前中は地下書庫で魔法・魔導具関連の本を熟読。
その結果、「ポーション」という普通に薬草を混ぜるだけでは作れない魔法薬を作る「調合」なんてものがあるのも知って、それに関する本もよく読んだ。
午後は覚えた魔法を実際に使って見たり、アーティファクトを作って見たり、屋敷の中にあるものでポーションを作って見たりと、かなり自由に過ごしていた。
そうして、魔法やらアイテム作成やら調合などという、二次元のものとしていた未知の技術にすっかりハマってしまった結果、ゲーム感覚で色々やってるうちに数日が経っていた
いや、だってホントに面白かったんだよ。コツを掴むと魔法もアーティファクト作成もすいすい出来たし。おかげで一階の空き部屋が一つ専用部屋にリフォームされたが。
けど、いつまでも屋敷の中にいたせいで、少し深刻になってきた問題がある。
「アーティファクトとポーションの材料に、減ってきた食材の調達、生活費のあてを見つけること、あとは細々とした日用品とかか。あ~、いい加減引きこもってばかりいられないよなぁ」
つい声に出して呟いた通り、現在この屋敷では物資と食糧の減少が目立つ。まぁ、いくら最初に大量にあったって、使っていればなくなるものなんだから、当然のことだ。
「んー……。よし。まだまだ一応余裕はあるし、明日にでも街に行ってどうにかするか」
考えて見なくても、今の私は屋敷の中でばかり過ごして街どころか森に出たことすらなく、絶賛ヒキニート生活満喫中だ。
今はどうにかなっても、いい加減何らかの方法で生活費を稼がないと困ったことになる。
つまり。
「就活に仕事か。あぁ~、やだな~」
どのみち、スローライフの為にも金は必要ってことだから仕方ない。
出来れば楽な仕事がいいなぁ。ポーションを売るだけの簡単なお仕事とかないかな……。