若長1
しばらくして本当に人里(?)らしいものが見えてきたのに
驚いて愛恵は花音にどうして方向が分かったのか聞いてみた。
「・・・・鳥がそっちのほうに飛んで行ってましたし
太陽の方向を見てひとまず南に向かったんです。
もし、人が居ない場所でも動物がいて、水か植物があって、
少しでも温かい方向の方が
生き残れるのでは無いかと思っただけですよ。」
サラッと答えた花音に愛恵は驚いた。
花音ちゃんは本当に小学生だろうか?
こんなに落ち着いて賢い小学生が居るものなんだろうかと
思って愛恵はそのまま言ってみた。
「花音ちゃんは本当に賢いね。花音ちゃんの小学校の子ってみんなそんなに
賢いの?・・・・私より花音ちゃんの方が落ち着いているし
知恵があるね・・・・・・驚いちゃった。・・・でもありがとう花音ちゃん」
ペコリと頭を下げて花音にお礼をいった愛恵は、
そのあと無邪気にニコニコ笑った。
花音は、それをみて口元を引き締めてそっぽを向いたけれど
耳がほんのり赤かった。
モルドル国、遊牧民族ハンガイ部族の集落
と言う事だった。
愛恵は言葉が全然分からなかったが
何だか丸い家が集まっている場所に来たと思っていると
中華服のようなガウンのような服を着た人達に囲まれて
分からない言葉をしゃべっている人達に向かって、
花音がポツポツ言葉を話すと
その人達は、しきりに頷いて手振りで一番大きい家を指し示した。
愛恵は、何も出来ないまま花音に引っ張られるまま
その家に招き入れられ
毛皮の敷物のようなものの上に
しかれたクッションを手振りで進められた。
ずっと愛恵の手を握ってくれていた花音が手を離して少し寂しいと思いながらも
おずおずとクッションに座った愛恵に向かって花音がさっき聞いた
此処の情報を話してくれた。
今から、ここの部族の長である
ハンガイ族長が、客人である愛恵と花音をもてなす為に現われる
と聞いてにわかに愛恵は緊張してきた。
きっと物凄い髭の熊みたいな小父さんが出てくるのだろうな族長とかだし
とドキドキする胸を愛恵は押さえた。