表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の橋の向こうへ  作者: のえる
4/62

全ての始まり1

草原の只中の遊牧の民の集落の真ん中


贅沢に花と色とりどりの布で飾り立てられた、


真新しいゲルで、未だ幼さが残る


どちらもせいぜい10代前半か、15を越えたばかりの


着飾った少年と少女を、取り囲み大人も


子供も大いに酒や乳、料理を飲み、食べ、騒いでいた。


「ハンガイ族、族長ウリャスタイ様が後継・・


いや、前族長のウリャスタイ様の息子で、新しき族長、


若長のフールン様か~!」


金糸の刺繍のマントに、緋色のデールで正装した少年が、


すっかり酔っ払って顔を赤くした男に肩を抱かれて少し


困惑気味に、別の男によって、注がれた酒の杯をグイッと干した。




「いや~良い男だな~まだまだ細っこいのが、残念だが~


良い、婿殿だ~」


「バイカル族、族長セチェン・ウゲの娘のセレンゲが、


こんなに愛らしい娘だったとはな~母親に似たのか~?」


キラキラと輝く耳飾りと流した髪に絹で作った花飾りを巻きつけて


後ろが少し長い裾のデールで正装した少女が、


カラカラと笑う親族の男と招待されてきた他部族の長の言葉に、


真っ赤な顔をして、少年を見る。




幼い自分の花嫁の視線に気付いたのか、少年が、


優しい表情で微笑むと、




「セレンゲ、無理しなくても良いよ、


さあ、此方の羊のボスンスー<乳>とか、ホスム<乳のオコゲ>


を頂きなさい。」


と、花嫁の手に器を手渡した。


幼い花嫁は、花婿に恥ずかしそうに小さく頷いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ