求婚3
「・・・・・花音ちゃん・・、もしかして、嫉妬・・・してる?」
首を傾げた後の愛恵の言葉に花音の肩が、大きく反応した。
みるみるうちに顔を真っ赤に染めてそっぽを向いた
花音を見て、愛恵は、嬉しくなった。
(思春期前か、思春期中って身近な同性に憧れたりするって
本とかに書いてあったものね)
なんだかんだ言って、私って結構、小学校の先生に
向いているのかもしれない
しかも、そんな感情を示してくれたのが花音だということが、
愛恵はよりいっそう嬉しい気持ちになった。
「どうして私が、いっつもぼんやりしているマナエさん相手に
嫉妬しなければいけないのですか!・・・
第一、 嫉妬の意味が分かってるのですか?」
あっちを向いたままブツブツ言っている花音ちゃんが何だか
かわいくて愛恵は、
「・・・・花音ちゃんって・・・可愛いね・・・
もしよかったらねぇ・・・」
と、ポロリと口から言葉が零れてしまった。
言われた本人の花音は、というと、びっくりしたように
目を見開いて愛恵の方を見ると、しばらく口を開いたり
閉じたりしてから、少し拗ねたように言った。
「・・・まったく・・・また、貴方はそういうことを
垂れ流しに言って・・・しかも変な所で遠慮して最後まで言わない
何なんですか、どうせなら最後まで言いなさい・・イライラしますね」
「抱っこしても良い!?」
イライラするとか言われて、愛恵は、慌てて
言いたかった事を声の調整が上手く出来ずに
少し大きめの声で言ってしまった。
シーン
と静まり返るゲルの中、
苦しそうな健一の声が聞こえた。
「・・・・・お前ら・・・・・・いちゃつくなって・・・・・」
愛恵は、何だか恥ずかしい気持ちで
どうして、健一が寝っ転がっているのか、とか、
そんなに苦しそうなのはどうしてか、とか
考える余裕も無く一瞬にして頭が沸騰した。