第八話 記憶
少女とアイリスは未だ見つめあっていた。アイリスのつぶらな瞳に引き込まれて、少女は視線を外せずにいた。
この島にきてできた家族はどんな顔をしていたか、少女の記憶からは完全に消えている。
この島で起きた事件の記憶が占める場所ももう僅かしか残っていない。
楽しかったはずの思い出や苦しめていたはずの記憶がうすくなっていた。
しかし、忌々しい過去の記憶は消えない。
母はアンドロイドを確かに使ったが、私への影響を考え、すぐに使用をやめたらしい。
父から聞いた話だ。父はその話をしているとき、私を未知の生物を見るように、軽蔑とはまた違う奇妙な目をしていた。
信じられなかった。母はいつから母だったのだろうか。
アイリスが翼をはためかせた。風が強くて吹いている。
「私は今どんな顔をしている?」
アイリスに問いかけるが返事はない。
突然後ろから肩を叩かれる。そこには両親と妹がいた。
アイリスは島の女神。アイリスが来なければ平和は成立しない。記憶操作はアイリスがいるときに行われた。島は今日も平和だ。
やっと完結しました。
とても短くなってしまい、無理矢理終わらせた感じが否めませんね。話を付け加えたり、変えたりするかもしれません。その時は活動報告を書きます。途中放置しかけましたが、終わらせることができました。
どんなことでもいいので、感想や評価をつけていただけたら嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。