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Moon Cat  作者: 猫又コロン
Moon Catという人物
2/15

大園 舞花

血に染まる花々。赤く紅く燃え盛る城――――――。

反逆者たちと剣を交える仲間の騎士たち。

人々の悲鳴。




『――――舞花まいか、お母様を連れて逃げて。僕があいつらの気を引いているあいだに』


あおい!!やだ、行かないでぇ!!!』


蒼はそういうと、かつては芸術品のように佇んでいた城の中を敵のお囮となり駆けだして行ってしまった。



『蒼ーーーー!!!!』








★☆★☆


「また、あの時の夢―――――」

「「舞お姉ちゃん(姉ぇ)!!おはよ!!」」

九年前のあの事件の事を考えていたら、

ドスッ!

と音を立てながら二人分の体重が寝ている私の上に飛び込んできた。

顔を向けると予想した通り双子の妹の咲月と穂志が乗っていた。


「ねえ、舞姉ぇ、何で泣いてるの?」

「どこか痛いの?」


泣いてる??


頬に手を添えてみると確かに濡れていた。


「え?」


「舞お姉ちゃん?」

「舞姉ぇ?」


「あ・・・・、なに?」


そう答えると手の甲でささっと涙を拭った。

妹たちにこれ以上心配させたくないから。


「あそうだ、お母さんがご飯だって呼んでたよ!!」

「呼んでた!!」


「ん、ありがと咲月さつき穂志ほし


えへへ、と笑うと二人はリビングに下りて行った。


伸びをするとリビングに向かうためベッドから降りた。




リビングにつくと珍しく妹が二人してテレビの画面を食い入るようにして観ていた。


「あら、おはよ。もうご飯出来てるわよ」

「うん、おはよ。・・・・・ねえ、穂志と咲月どうしたの?」


母さんとあいさつを交わすと疑問に思ったことをきいてみた。

チラっと見ると、母さんはああと言う顔をした。


「さっきからずっとMoon Catあんたの事放送されてるよ」


その言葉を聞いてテレビの画面を覗くと確かに昨夜のわたしの事が放送されていた。


《――――――Moon Catムーンキャットと思われる少女が○×宝石店の宝石を、また華麗に盗んでいってしまったとのことです。また、目撃者のその宝石店に勤める警備員二人からの報告によると、ガラスの割れる音がしたので音のした部屋に向かうと宝石の入っていた、ガラスケースが割れていた。また、そこに銀髪で金色の瞳の少女が盗まれた宝石を持っていたとの事です。しかし、その瞬間一瞬で消えてしまったとのこと。警察はその場になにか残っていないか捜査している最中で――――――》


「ねえ、結局また違ったの?」

「うん、半年も経つのにまだ一個しか――――《ムゥーーンキャトォォーーーー!!観てるかぁぁ??》――――・・・・・・何だ??」


言葉を遮られたことに若干いらつきながらもテレビ画面をみる。


《Moon Cat!!よくも、毎回毎回やすやすと物を盗んでいってくれるな!!予告状くらい出せや、このやろブヘッ!!》


“ブヘ”?


て言うか、テレビリポートさん迷惑そうな顔してるし。

あ、なんか他の奴出てきた・・・・・。


かなめ、うるさい。・・・・失礼しました。僕は特殊刑事隊に所属している宮月雅人みやづきまさとと言います。僕たちは、主にMoon Catの事件を担当しています。しかし、先程こいつかなめが言っていた予告状なんてものは、Moon Catも出してくれないでしょうね。何せ、Moon Catの方が不利になりますからね。》


そう言い、画面の向こうで肩をすくめてみせた。


「っていうか、わたし“Moon Cat”なんて、名乗った覚え無いし」


そう言いながらミルクティー色・・・・・・・の髪を弄った。


母さんはそんな様子を見ながら、笑いを含んだ声音で、

「良いじゃない。可愛いんだし。月猫よ?直訳すると。あなたにぴったりよ!」


う~んそうかな。確かによく、猫っぽいって言われるけど・・・・・・。


「舞姉ぇは、やっぱり猫っぽい!!」

「だって、舞お姉ちゃん可愛いし、猫っぽい雰囲気あるし!!」


ねえ、わたしってそんなに猫っぽいかな?

っていうか、そんなに、どんなにわたしが猫っぽいか三人して力説しないで欲しいよ・・・・・。

そんなことから現実逃避するために、今更だけど自己紹介させてもらうね。

わたしの名前は大園舞花おおぞのまいか。歳は十六歳。職業は怪盗。世間からは“Moon Cat”なんて呼ばれているけど名乗ったつもりはない。なんで怪盗しているかはまたの機会に。顔立ちは・・・・まあ、整ってる方じゃないかな(今、あなた『自覚してるのかよ!!』て、思ったでしょ。世の中には純粋な天然なんてそうそういないからね)。髪は、頑張ってやっと腰くらいの長さになった。色はミルクティー色。目は、猫みたいにくりくりしてる・・・・・と思う。色はは髪と同じ色。背は百六十センチくらいだったはず。女子の平均並みの高さだね。


よし、現実逃避終わり。そろそろ朝ごはん食べないと、初日から高校遅刻だからね!


「―――――それで、やっぱり舞ちゃんは猫だと思うのよ!!それでね「母さん!?もういいから、ご飯食べようよ!!」あ~はいはい。そんなに怒らないで?」



母さんったら、本当にお茶目すぎる・・・・・・。

そんな母さんも好きだけどね。




舞姉ぇと言うのが穂志。舞お姉ちゃんと言うのが咲月です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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