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Moon Cat  作者: 猫又コロン
正体
14/15

ショータイム★

――――――――午後十時



「あーあ・・・・・。こんな警備じゃ全然ダメだよ。すぐに宝石盗めちゃうよ??」


今回ターゲットにした天橋宝石店総本社の屋根の上から下を見下ろしそう呟いた。そして手元にある咲月と穂志が改造してくれた携帯で、建物内の監視カメラの映像を見る。


映像には、指定した宝石の周りに警官が六人張り付いていた。その部屋の窓付近に一人ずつ、部屋の入り口に二人、廊下側の入り口に二人、廊下を見まわる警官が多数、敷地の庭に八人、玄関に三人、だ。



もっと小説みたいにぞろぞろ居るのを期待してたんだけどな~。ま、予告状初日だったしこんなもんかな?



そういや、庭と道路に面した場所に特殊刑事隊の皆様方が隠れているんだけど、まるわかりなんだよね。あれで隠れているつもりならもう一回訓練し直した方がいいと思うんだよ。

あ、そうそう。ついさっき知ったんだけどね。特殊刑事隊って、今のとこ三人しかいないんだって。人気無いのかな??まあいいや。そろそろ時間だからね。




屋根の上で寝っ転がってたから腰が痛いな。よっこいしょ、と言ってからババクサ・・・・と自虐してみる。




「おっと、残り十秒だ。―――――8、7、6、5、4、3、2、1・・・・・・・ショータイム!!★」


言った瞬間に、すぐ足もとにあった窓を蹴破る。パリンと軽快な音を響かせながら割れる破片を横目に壊れた窓に身を滑り込ませる。


破片が床に落ちるよりも早く、目的地に向かって走り出す。目的の宝石が管理されている部屋は三階だ。あ、因みにこの建物は五階建てだ。



各フロアに五人は警備しているようだ。ま、そいつらが気が付く前にもう横を通り抜けているから居ても居なくても変わらないけどね?


お、目的地発見!ここまでかかった時間は・・・・・約四秒か・・・・。ま、こんなもんだね。

そうしている間にも、ドアの前にいた警官二人に鳩尾を入れる。警官が倒れるよりも早く、少し開けたドアの隙間に身を滑らせる。入ったドアの前に居た二人を素早く気絶させると宝石を中心に囲んでいる警官と対峙する。



「来たな。Moon Cat!そう簡単に宝石は盗ませないからな?!」


はあ、ため息が出る。ここで喋ったとして、もし声を録音されていたら声から、顔の形・つくり、背、体型をも特定されてしまう。いまどきの科学は舐めちゃいけない・・・・。おー、怖い怖い。



ってか、一つ心の中で突っ込ませてもらっていいですか??ここまで来るのに、何の問題も無かったのに今さら何か出来ると思ってるの?バカみたい。



無言で走り出した私に周りに居た警官は反応出来なかったようだ。ガラスケースを割った瞬間その音に反応し、振り向いたがその瞬間にはもうそこに私はいない。



警官たちが周りをきょろきょろしている様子を静かに笑いながら眺める。


――――私の居場所??ほら、よく探して?あなたたちの少し上を見たら分かるんじゃない??



「お、お前・・・・いつの間に・・・・・!!」



ん?やっと見つけたの??見つけるまでに三秒はかかってるよ?もし私が銃を持っていたらあなたたち死んでるよ?



そんな事を思っている間、自分の銀髪を月明かりに照らしながら梳いてみる。さらさらとこぼれおちる銀髪は凄く気に入っている。蒼と同じ色。



ふと、見下ろしてみると警官たちの顔が赤くなって固まっていた。


ま、いいか。と、シャンデリアの上で座って居た腰を立つために上げる。

手元にある先程盗んだ宝石を手で、もてあそばせている様子を見せつけながらニヤっと笑ってシャンデリアから飛び降りる。着地と同時に床を蹴りこの部屋のベランダに続くガラスドアに方向転換する。

走っている勢いに任せて思いっきり足をガラスドアに回し蹴りをし、蹴破る。あら、行儀が悪かったかしら?


室内に居る警官が銃を構えてきたがそれよりも早く、屋根に向かって舞いあがる。一気に、屋根にたどり着いたがこれからの事について考えて無かった。

庭に下りてそのまま、警官をなぎ倒して撤退・・・・はなんかカッコ悪い。あ、せっかくこんなに、人が居るんだからちょっとしたショーを見せてあげようか?

敷地外には、新聞記者やら、カメラマンとか、野次馬も結構いるしね。



「おーい!!屋根の上に逃げたぞ!!」



さっき、部屋にいた奴が外に居る奴に叫んだ。その瞬間に一気に視線を受けた。

十分な視線が集まったのが分かると、ついこれから起こす事に口元がゆるんでしまう。



「さて、ちょうど月も奇麗に出ている事だし、始めるか」



―――――やっぱり、お母さんが雲の動きを調べてくれたおかげでやりやすいな。



自分の身体の中心に熱をイメージする。そして頭でだいたいのこれからやる事を想像する。



準備は整った。



ノリで紳士のとる礼をとってからニコリと笑う。まあ、そんな細かい部分まで見えないと思うけどね。



そして、両手を横に広げ両手に熱を移す。瞬間、自分の手の先から花びらになって舞って、消えていく。

―――――――――――儚げに、それでいて美しく








・・・・・なんてね?

誤字・脱字修正しました。

ここまでお読み下さりありがとうございました!

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