悪の支配者☆
「ねえ、今日の午後十時の天橋宝石店総本社付近の雲の動きを予測してくれないかな?」
お昼ご飯を食べた後、お母さんに頼んでみる。お母さんは調べ事・探し物・隠し場所などの事を得意とした能力を持っている。調べ事は情報収集とかかな。探し物・隠し場所は、そのまんまの意味で探し物の場所を当てやすいってことかな?隠し場所は物を隠すのが上手いってことかな??
「あんた・・・・。二日連続よ??そんなに焦らなくてもすぐに魔石は見付かるわよ。あれも・・・・」
「分かってるよ。でも、蒼も、父様もまだ見つかってない・・・・」
蒼は私たちのお兄ちゃんだ。私を庇って・・・・・・・
「・・・・そうね。調べておくわ」
お母さんも少し辛そうな顔をして頷いてくれた。
「ありがとう。お母さん」
お母さんの顔がまだ曇ったままだったから話しを打ち切って次の作業に移る準備をする。
「咲月、穂志。予告状作るからデザインとか、設計手伝ってくれないかな?要・・・・警察のご要望にお応えしないとね??」
少し最後の方は含み笑いぎみに言うと二人から「「カッコイイー!悪の支配者みたいだよ~!!ワーイ!!」」って、いや・・・・そんなに・・・・?うん。もういいや。。。
「って、え!?舞お姉ちゃん予告状作るの!?」
「作るの!?」
咲月、穂志の順で言われた。うん、悪の支配者言う前にそこ反応しようよ・・・。
「そう。一見こっちが不利に見えるけど隙さえ見せなければいいだけじゃない。それに、それが実現できるのが私たち月界の住人でしょ?それに証拠品が集まるのに全然調査が進まずに地団太踏む様子を想像するのはとても面白いと思わない??」
「「そうだね~!それにサッちゃん(ホシ)たちは月界のお姫様だからね!!」」
私はお姫様ってガラじゃないけどね・・・・・・。
「そうと決まれば早く作っちゃおー!!」
「おー!!」
「やれやれ。あ、この案取り入れたいんだけど・・・・」
「じゃあ、お母さんは調べておくわね?」
―――――――さあ、今夜は楽しまなくっちゃね?
ここまでお読み下さりありがとうございました!