証拠品
雅side
走り去った女を見つめながら思った。
今日はやけに顔の整っている奴に出会うと。
そう思いながら、頭の中には今日出会ったばかりの大園アオイのことを思い出していた。
ふと、そこでアオイもさっきの女も栗色の髪色だったと思いだした。
少しの違和感が胸の奥底で生まれたようだが気のせいだと思い今やることを思い出す。
入学式が終わり家に帰ろうとしていた、ちょうどそんな時ある一本の電話が入ったのだ。
★☆★☆
アオイが逃げた後俺は、要と璃音と帰る支度をしていたんだ。そんな時、俺に一本の電話が入った。
『―――事件現場で見つけた銀色の髪だがな、厳重に保管していたにも関わらず――――――――消えた』
―――――は?
「誰から?雅」
そういう要の声も全くもって頭に入って来なかった。
今まで、事件現場には証拠品はなにもなくやっと見つかった、これでMoon Catを捕まえる手掛かりに一歩近づけたと思ったのに・・・・。
『いや、詳しく言うとその髪を調べるために小瓶に入れていた蓋をあけた瞬間、煙になって消えたんだ。俺達も何が何だか―――――「ブチッ」』
「雅?どうしたんだ?そんな焦って」
いつもはふざけた様子の要もこの時ばかりは真剣な顔でこちらに尋ねてきた。
璃音も同じく。
「――――証拠品が、消失した」
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