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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第九章 生徒会長兼風紀委員長!!!
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噂のスパイダー

ひっそりとした住宅街で、人知れず1人の少年と、蜘蛛の頭部を持つ異形のものが対峙していた。

黒髪の少年、水野流はナイフを構えながら呟いた。

「昨日の事件は君の仕業なのか…?生徒会長」

彼の問いに、蜘蛛男へと変貌した永木は、平静を装いながら答えた。

「さっきから何を言っている?俺は生徒会長兼風紀委員長などでは…」

「腕章取り忘れてるぞ」

「……………」

彼の指摘に、永木は無言で腕章を引っ剥がすと、開き直ったような口ぶりで言った。

「フン、昨日の事件だと?貴様には関係ないことだ。一応言っとくが俺は好きであんなもの盗んだワケじゃないからな!」

「おい、何の話してんだ?何を盗んだって?」

「え?いや、知らないなら別にいいんだが…ン?」

背後からの物音に永木が振り返ると、自転車に乗った2人の生意気そうな少年が、物珍しそうな視線で彼を見つめていた。

「あっ!いた!噂の変態スパイダーマン!!」

「婆さんのパンティ盗んだってマジ!?」

永木は大慌てで少年達に言った。

「あっコラ!余計なこと言ってんじゃ…!」

突然、永木は変身した流に後頭部をドロップキックされ、奥へとぶっ飛んで行った。

少年達はその様子に、まるでアクション映画でも鑑賞してるかのような、黄色い歓声を上げた。

「スゲー!蛾男じゃん!初めて生で見た!!」

「必殺技出してよ!今動画撮っから!」

「ほらよ」

流が鬱陶しそうに携帯を素手ではじき飛ばすと、少年達は泣きわめきながら、自転車をがむしゃらに漕いで走り去った。

前に向き直ると、向こうからアル中のような頼りない足取りで、永木がこちらへ向かって来るのが見えた。どうやら先程の一撃がよほど応えたようである。流は諭すような口調で彼に言った。

「少しは頭が冷えたか?先に襲ってきたのはそっちだからな。しかし驚いたよ、まさか変異者の上に変態だとはな」

「遂に正体を現したな蛾男…!これで心置きなく戦えるというわけだ…!」

どうやら頭を冷やすどころか、逆に火に油を注いでしまったらしい。

「クソ、逆効果だったか…!おい聞け!僕はあの蛾男じゃ…」

「あのもこのもあるか!くらえ!!」

永木は問答無用で糸の塊を連続で発射した。

「わからん奴だな…」

流はそれを華麗な3連続バク宙で躱すと、背を向けて曲がり角を右に逃げ去った。

「フン、この俺から逃げられると思うなよ…」

永木は忌々しげにそう呟くと、彼の追跡を開始した。





「それマジ〜!?アハハ!」

ぼんやりとした街灯に照らされながら、スーツ姿でハイヒールを履いたOL風の若い女が、携帯で通話をしながら、夜道をひとり歩いていた。

「すいません、ちょっとよろしいですか?」

「…え?」

後ろから急に呼び掛けられ、女が振り返ると、黒光りする8つの眼を持った、学ラン姿の蜘蛛のような怪物がすぐそばに佇んでいた。

怪物はその姿に似つかわしくない、礼儀正しい態度で彼女に尋ねた。

「この辺りでバケモン見ませんでしたか?」

「ギャアアア!!目の前にいるぅ〜〜!!」

女は絶叫して怪物にビンタを食らわすと、脱兎のごとく逃げ出した。



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