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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第九章 生徒会長兼風紀委員長!!!
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「俺は生徒会長兼風紀委員長の…永木道徳だァァ!!」

「………」

しんとした空気の中、彼の暑苦しい口調とは対照的な冷めた様子で、流が呟いた。

「それはもう聞いたよ」

「な…なんで2回言ったんでしょうね?」

永木は取り繕ったように小さく咳払いすると、再び応援団の如く威勢の良い声を張り上げた。

「自己紹介はさておき!弱いものいじめのような行為は見過ごせん!この俺が成敗してやる!」

春日は馬鹿にしたように鼻を鳴らすと、毒島に耳打ちした。

「何だアイツ…毒島さん、ついでにボコっちゃってください!」

「ん?おお…(ヤベッ、強そう…)」

「うおおおおお!!」

永木は雄たけびを上げながら勇猛果敢に走り出すと、毒島へと拳を繰り出した。

………と思いきや違った。

「生徒会長拳!」

「ゴハアッ!?」

何故か彼は流の顔面へとストレートを放った。思わぬ展開に、由香里はパニくりながら悲鳴を上げた。

「ぎゃわあああ!!何してんですかこの人ォ〜!?悪者はあっちですよあっち〜!」

耳に入っていないのか、永木は吹っ飛んでいった流の方へと向かって行った。

「立てぇ!根性を叩き直してやる!」

流は上体を起こすと、慌てて彼に呼び掛けた。

「おい正気か!僕は何も…!」

「風紀委員長脚!」

「ぶげえっ」

その様子を引き気味に眺めながら、毒島は舎弟達に言った。

「な…なんか代わりにシメてくれたみてーだし、結果オーライってやつか」

「は…はぁ」

「完全にイカれてんな、ありゃ」

不良達4人はそう言い残すと、どこか釈然としない様子で去っていった。



…数分後。

永木は先程とは打って変わって沈痛な面持ちで、流の足元で地面に深々と頭を密着させていた。

「すまない、本ッ当にすまない…!!」

そう懺悔する彼の声には、深い後悔の色が滲んでいた。

「てっきり俺は、君が弱いものいじめをしてる方かと…」

「どんな勘違いだよ…!悪人面で悪かったな」

流は衣服についた汚れを払いながら、忌々しげに言った。

「しょうがないですねぇ…。反省してるみたいですし、今回は許してあげます♪」

「なんで勝手に決めてんだよ」

永木は土下座したまま、上目遣いで流に尋ねた。

「この無礼をどう詫びていいものか…。腹でも斬ろうか?」

「いや、そこまでしなくていいから…。もう水に流してやるよ、面倒くさい」

流のその言葉に、永木は目を輝かせながら立ち上がると、興奮気味に彼の肩を掴んで揺さぶった。

「おお!こんな俺を許してくれるのか!?君は聖人だな!!そうだ!お詫びと言ってはなんだが、一杯奢らせてくれ!いい店を知ってるんだ!」

「別にお詫びなんか…」

「そうと決まれば早速行くぞ!善は急げだ!フッハハハ!」

永木は流と肩を組むと、半ば強引に彼を連れ出した。

「…あれ?私は…」

ひとり残された由香里は、所在なさげにそう呟いた。



その後、流は永木とともに街の大通りを、うんざりした顔で、とぼとぼと歩いていた。

「もう少しで着くぞ!確か君は転校生の…流だったか?」

「…まあな」

彼らの前方から、3人組の小学生が歩いてきた。1人は縁石の上をフラつきながら歩いている。永木は少年の方をキッと睨んだ。

「おい少年!そんな所を歩いたら危ないぞ!直ちに降りなさい!」

「うっせーバーカ。別に平気だよ…あっあれっ?」

言ったそばから、少年はバランスを崩して車道の方へとバタリと倒れ込んだ。その後ろには、黒のアルファードがすぐそばまで迫っている。

万事休すかと思われたその時だった。

永木が素早く車道へと身を乗り出すと、少年へと右手を伸ばした。すると、彼の指先から糸のようなものが発射され、少年のランドセルに貼り付くと、彼を一瞬にして引き寄せて、間一髪2人とも事なきを得た。永木はホッと一息をつくと、満足気に言った。

「ふぅ…。危うく上杉達也になるところだ。あれ?和也だったか?」

「今のは…?」

流は目を丸くさせながら、そう呟いた。







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