起動
薄暗い建物の中で1人のアンドロイドが動き出した。
「…?ここは…」
彼女の他に、黒色のロボットと太った男性、綺麗な服を来た少女と熊の人形が同じ様に動き出した。
「あら?どこかしら」
お嬢様が話した。
「…君達は?誰?」
「おっほっほ。私はロッド家の娘、メアリー・ロッドよ!」
「…ぼ、僕は後藤。」
「私はソフィア。」
「…俺はαだ。この施設のことは少し知っている。」
周りには4人以外誰も居なかった。
「あなた、この施設のことを知ってるの?」
「ああ。いつかは分からんが1度だけ起動した時に見たことがある。」
「と、とりあえず別の場所へ行かない?」
4人は別の部屋へ向かった。
「なんだか不気味ね。電波も繋がらないし。パパは何をやってるのかしら」
隣の部屋は研究室と書かれ、中には液体の中に入れられたアンドロイドや散らかった研究道具が置かれていた。
「α、何か分かる?」
「…前来た時は研究員がいたはずだ。…?今は何年だ?」
机の上に置かれていた時計は4030年になっていた。
「うぇええ?私の誕生日が2047年だから…1990歳くらい?」
「あ、あの、多分気づいてると思うんだけど僕らはもう死んでるみたい。」
液体の中には全員の体と名前が刻まれていた。
「…?これは…?」
部屋の中央にある画面に映像が映っていた。
「こちらでも政府の実験により大気汚染が広がっています!全世界の人口が残り1割を切り、最早人間の生存区域は無くなったも同然で…」
途中で映像は切れてしまった。
「…3900年。100年以上前ね。…全員死んでいる可能性が高い」
「うぅ。どうしたらいいの…」
「泣いていても助けは来ない。それに、腕を見ろ。残り駆動時間が書かれているはずだ。俺たちはこのままでは数日で死ぬ。」
「…どうするのよ」
「どこかに発電室があるはずだ。そこでエネルギーを充填出来る。発電室へ向かおう」
「あ、あの…マップ的なものがあったんですけど…」
後藤が地図を見つけていた。
「…フムフム。発電室は近いわね。」
「あら?この部屋は何?」
メアリーが指を刺した部屋はストック室と書かれていた。
「あ、で、出口がある…。」
「エネルギーは持ち運びできる容器があるはずだ。俺とメアリーでエネルギーを持っていく。ソフィアは後藤を連れて保管室へ向かえ。必要な物が用意されているはずだ。」
4人は二手に別れて脱出する準備をすることにした。
「ランランルー。あなた、αだったよね。なんでそんな詳しいの?」
「さっきも言っただろう。ここにいた記憶がある。それだけだ。お前こそ、お嬢様でいいな」
「おっほっほ!」
2人は発電室へ着いた。
「エネルギーを充填しておけ。腕の数字が100%になるまでだ」
「はい。」
αが機械を持って来た。
「2人の分と外へ出た時の分だ。」
2人はエネルギーを持って発電室を出た。
「どこへ行くの?」
「保管室だ。」
「え?銃とかもあるの?私、本物の銃は初め」
αはメアリーの口を押さえた。
2人の目の前を黒い服を着ている明らかに関わったらダメなヤツが歩いて行った。
αはメアリーを抱えると走り始めた。
「ねえ!あれ誰?!」
「分からん。ただ、早くソフィアたちと合流する方が良いな。」
その頃2人は保管室にいた。
「水と食料…はいらないか。」
「じゅ、銃とか、装備があると安全かも…」
2人が用意していると廊下側から大きな足音がした。
「…2人か。後藤は用意をしといて」
扉をノックしていた。
「開けるよ〜」
「ま、待って!」
後藤が言った時には少し遅かった。扉が少し開くと隙間から腕が出て来た。
「!?」
「押さえて!」
扉の隙間から腕が現れ、暴れていた。
「!ソフィア!!」
αたちが到着した。
「フン!」
αが背後から殴り殺した。
「大丈夫か?」
保管室に入ると中には上半身の無いソフィアが倒れていた。
「…ヒッ!」
十分後。
「…落ち着け。まだ死んだ訳では無い可能性もある。」
「馬鹿じゃないの!?どう見ても死んでるでしょ!ソフィアは殺されたのよ!」
「そ、そうだよ。僕も直接見たよ。あいつが死ぬ直前、ソフィアは腕に上半身をちぎられて、食べられてたよ!」
「…持ち物を持って着いてこい。」
3人はエネルギーを背中に入れると銃を持って外へ出た。
「便利ね。予備のエネルギーを入れとけるなんてね!」
「…あ、αさん、ソフィアさんはもう死んじゃって…」
「分かっている。着いてこいと言っているんだ」
3人が到着した部屋にはストック室と書かれていた。
「…!?あら…ソフィア…?」
「…?誰ですか?」