第1話:必殺、絶流斬
第1章、始動!
俺がこの異世界に来てから3週間ちょいくらいは経った。と言っても俺を殺したやつが襲撃している可能性は極めて高い。そうだな・・・
図書館にて――――
「魔物学・・・か。結構大事そうだな。・・・核のページ?」
「ああ、核ですね。魔力核と物質核が有名ですが・・・」
「次元核もあるのか。」
それなら3核融合炉も作れそうだ。
「この本は詳しく記されていますね。」
「えーっと?核は・・・『核は魔物の魔法の補助の役割を持っていたり、別の系統の技が扱えることを可能にする媒体である。』・・・そうだったのか。」
「さらにですね。『魔力核は特に価値が高く、魔法の杖や魔剣に装着され、魔法の効率を高めることが出来る。』というものもあります。」
「知らなかったな・・・。」
二人は核という物質の正体をここで知ることとなった。
「そういえば私を助けてくれたときに使っていた技はなんて言うんですか?」
「ああ。あれか。あれは絶流斬だな。」
「絶流斬⁉」
「なにかおかしいのか?」
「ちなみに・・何式?」
「伍式だが。」
「嘘でしょ・・・」
「絶流斬って有名なんだな。」
「ええ。国の剣聖でも参式が使えるかどうかレベルなんですよ⁉」
「ちなみに剣神は?」
「拾式が最高格かと。」
「俺・・・拾参式まではいけるし、零式使えるのだが。」
「え・・・。」
ぶっ倒れかけるがリョウが支える。
「大丈夫か?」
「・・・ええ。」
「まあ、絶流斬を使えるのは俺くらいしか居なかったからなあ。殆ど誰も修行してなかったし。妹に関しては俺がさせないように妨害しまくったし。」
「それじゃあ拾肆式以降は使えないんですね。」
「・・・あるの⁉」
「知らなかったんですか。」
「ああ。」
「いつかお教えしますよ。」
「助かる。」
ちなみにサクラの口調は丁寧語がやはり一番しっくり来たので丁寧語となった。
そうして図書館を出ると・・・
「居たぜ・・・!キサマを殺す!」
また現れたよ。刺客が。
歩いていってそいつ等の真隣を歩いてく。
「何だお前。」
「危ないです!」
すると倒れる。
「絶流斬拾参式、早討ち。」
「ほんとに拾参式まで使ってる・・・。」
「言ったろ?俺は絶流斬の拾参式まで使えるって。」
「ほんとにすごい・・・。」
そうしてギルドへ戻る。
「冒険者アカウントってもう一つ作れますか?」
「どうしたんです?」
「念のためにですよ。」
「名前はどうなされますか?」
「ニヒル・タンザナイトで頼めるか?」
「ええ。出来ますよ。もう一人は・・・?」
「フヨウ・スネピルでお願いします。」
「分かりました。」
「という事でその時は更に顔を変えるので。こんな感じに。」
リョウが顔を変える。
「・・・分かりました。」
(顔を変えるなんてこと出来るんだ・・・初めて知ったなぁ・・・。)
「ちなみに変な服装で変な武器を持ってたり、刀を持っている俺と同年代の人がいる集団とか個人には俺のことは話さないでおいてください。・・・訳アリというやつです。」
「分かりました。約束しましょう。」
「ありがとうございます。」
この日・・・あれ?何年だっけ。ここ。日にち数えてたから西暦2024年9月1日。万に一つの可能性を消すための準備を終えた。
彼らがこの世界に来た時の保険をかけることに成功した。あの世界とつながったことを直感的に感じた。もう近いと思う。
「ほらよ、嬢ちゃん。」
銃を渡される。
「スミス&ウェッソン、M27。完璧だな。」
「へっ。まあな。」
「357マグナム弾。結構早い段階で必要になるかもしれん。開発はどうだ?」
「想定より早く完成しそうだ。」
「分かった。」
そうして魔力の特訓をしていると・・・
「・・・マジか。」
「どうしたの?」
「・・・なんか魔力核が出来たんだが。」
「すごいですね!」
(魔力結晶かと思ったけど密度が違う。これは・・・魔力核!超貴重な物のはず・・・!)
「魔力核・・・よし、これはちょっと処分しとくか。」
「争いの火種になりかねませんからね。」
「そうなのか?」
「ええ。前も言いましたが、とても貴重なものなので。」
「そりゃあ処分するに限る。」
「けど投擲道具として使うのもありかと。」
「それは銃を使えば良くないか・・・?」
「確かに・・・」
「天然だな。そういうところもいいと思うぞ?」
顔が真っ赤になる。
・・・そうだ。対策だけではない。俺があの世界に帰らないと。そのための準備も始めることにしよう。
ということでギルドへ行き、ダンジョン攻略をすることにした。
「そら、火炎斬り。」
炎を纏った刀で斬る。
サクラも電気を剣にまとわせて斬る。
「上手いな。」
「ありがとうございます。」
「ん?あれは・・・ボスか?」
そこそこ大きい人型の・・・ん?そういえば・・・
「サイクロプス?」
「ああ。かなりデカくてな。かなりの実力者が束にならないと勝てない。絶流斬があれば話は別なんだがな。」
カイトがそう言う。
「へー。」
「・・・あれだろ。サイクロプス。」
「・・・ですね。」
「・・・絶流斬伍式、電撃斬!」
するとサイクロプスの首が飛ぶ。
「よし。」
血を刀を振ることで飛ばして鞘へ戻す。
「ん?これは・・・!」
鉱石のようだった。ただ、なにか違和感がある。
「取り敢えず。」
収納魔法で収納する。
「これ・・・ミスリルですよ。」
「そうなのか。よし、回収だ。」
「いいんですか・・・?」
「バレなきゃ犯罪じゃねえ。」
ということで。
「おいおいマジかよ・・・」
「ミスリル持ってきたぜ?これでマグナム作ってくれるか?」
「出来るぜ。」
「ああ、そうだ。あまったミスリルは自由に使ってもらって構わない。いつものお礼ってやつだ。」
「ありがとうな。」
「こちらこそ。」
「それじゃあ専用の弾を作らねえとな。」
「ええ。」
そうして魔石と鉄を混ぜた物を弾頭としてベースは38スペシャル弾とされた。
尚、完成に2週間かかった。配合などにとんでもないほど時間がかかったのだ。
ちなみに銃は38マジック弾を作る合間に作られた。
結構ここらへんが一番大事なのかもしれません。