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資格

この話は、1人の男が勇者ではなく英雄となる話


僕は勇者になりたい。

僕の名前は鬼怒川(きぬがわ)(かなめ)

僕は勇者になりたい、英雄では無く、勇者に。


英雄は偶然で成れるただの第三者からの評価だ。

けど勇者は違う。

勇者は自分からの評価で誰でも熟れる。

そんな妄想をしている。


今日は幼なじみ3人で、ショッピングモールで映画を見る予定だ。


8時集合で僕は8時ジャストに来た。

僕は基本ピッタリに来る。


そして先にいる男が話しかけてきた。

「相変わらずピッタリだなぁ〜」

少しおちゃらけた雰囲気のあるこの男は、鳩羽(はとば)勇治(ゆうじ)。俺の幼なじみの1人であり、こう見えて優しい奴である。

「おう、お前は変わらずジャストだな。」

そしてこいつは何かない限り必ずピッタリに来るのだ。


「で、あいつもいつも通りっと」

「ん、」

それから10分後、遠くからめちゃくちゃ急いで走ってくる1人の女が現れた。


「ごめぇんなさぁい!」

彼女の名は及川(おいがわ)日立(ひたち)

毎回遅刻するのだが、毎回慌てて来るのでどうも怒れないの奴なのである。


「ごめゼェごめんなゼェ、」

「「1回落ち着け。」」

その後、

「取り敢えず行くか、」

「だな」


とりあえず、予定のショピングモールに3人で向かう事にした。


そして、ショピングモールに入り1番最初に行くところは、映画館だった。


「何の映画だったけ?」

「何だっけ」

「おいコラ」


勇治、日立がボケて、俺が突っ込む。

これが僕たちのスタンスだ。


「8番だな、行くぞー」

先にチケットを取った僕が、先導するとアヒルの子の様に付いてくる2人。


その後しばらくして、スクリーンに映像が流れてくる。

内容は過去の名作を現代技術で再現したものだ。


僕は目の前に広がる景色に思わず見惚れていた。


主人公の勇気と、仲間との会話、共闘。どれをとっても圧巻の一言だった。


映画が終わり映画館を出て、適当にブラブラしながら、余韻に浸っていると突如、究極の尿意に襲われた。


「うっ、」

「えっ?大丈夫か?」

勇治が心配そうにこっちを見てくる。

そんな、勇治に僕は

「俺の膀胱がプロージョンしそうだ」

「はよトイレ行ってこい!」


その後急いでトイレに向かって、スッキリし、勇治達の元へ帰って行っている最中、物凄い爆音が響いた。


「何だ!?」

「何の音!?」

周りからのそんな声が漏れる。


そして爆音のした方向は…


勇治達のいる方向だった。


何がまずい、僕は本能的にそう感じ取った。

そして気付いたら足は其方へ走り出していた


音の方向に向かってる最中、少し埃が晴れると、そこには


まるで、蜘蛛と蜥蜴を人型に合わせたかのような化け物が日立に手を振り上げていた…


この瞬間視界から色素が無くなり、白黒の世界に変わり、時間が停止したかのような違和感に襲われる。


「んっんん…?」

声を出そうとすると唇が一切動かない。

舌は動くが、唇が動かない。

瞼も動かない。眼球は動くのに…

足も、いや体も動かない。


【ほう、この世界に対応するか…】


上?から機械音のような、動物の鳴き声のような声がする。


誰だお前


【おお!我の声も聞こえると来た!

 これは形代かもしれん、】

誰だと聞いている


【そう怒るな…時にお前目の前の女子(おなご)が助けられるとしたらどうする】


助ける


【たとえ自分が人ならざる者もなってもか】


、、 、助ける…


【そうか、なら我が形代、いや依代になる気はあるか?】


それで日立(あいつ)が助かるのなら


【良かろう、なら私との力較べといこう】


力較べ?


【ああ、お前の精神が勝つか、私の力が勝つか、ただそれだけだ】


それに負けたらどうなる。


【お前の体の自由権がなくなる、だが安心しろあそこにいる…日立だったか、あの女子(おなご)は守ってやる】


随分と良心的なんだな


【フフフ、では答えを聞こう】


良いよ、やる


その言葉を心の中で呟いた瞬間白黒の世界がゆっくりと時の中を進んで行くと同時に僕の体から黒い粘液状の様な物質が溢れ出す。


だが不思議と気持ち悪さは無かった。


そうしている内に僕の体は僕の知っているものでは無くなっていった。


手先は黒く長い爪が生えており、目の視野がいつもより1.5倍位に増え、胸には蝙蝠の翼のような模様?が刻まれて、足はまるで生物的なブーツを着てる様に長く鋭利になっていた。


もっと変化が有るのだろうが今ジロジロ見てる場合ではない。



そもそも体動くのか?


そう疑問に思いつつ体を動かすと、一瞬で5m程動いた。


速ァ…


1周回って呆れて来るがさっきも言ったけど呆れている場合では無い。


そして1秒足らずで蜘蛛蜥蜴(くもとかげ)の目の前に届く。


【何だお前!】


蜘蛛蜥蜴からそんな事を聞こえた気がしたが関係ない。


俺は左足を軸に右足で相手の顔面目掛け蹴りを入れる。


【ガフゥッ】


そんな鈍い音と共に、蜘蛛蜥蜴の下顎が勢いよく左側に飛んで行ったが、蜘蛛蜥蜴はその場からは動いていない。


いや、だるま落としの容量で動かなったのか…


蜘蛛蜥蜴は口だった所からダラダラ流れる暗い黄緑色の粘液を抑えながら後ずさる。


【逃がすわけ無いだろ】


そう言葉にしつつ俺は刹那、蜘蛛蜥蜴に向かって、拳を振り出そうとしたその時


背後から

「化け物っ!」


と声がした。


後ろを振り返るとそこには今にも泣き出しそうな日立が居た。


【大丈夫、俺が守ってやる。】


俺が安心させるためにそう言うと、日立は更に、目尻に涙を貯め。


「こっちを向いて気持ち悪い言葉話さないでよぉ!

  

       化け物!」


この瞬間俺は瞬間的に理解した、そうまだ蜘蛛蜥蜴は日立に被害を加えていない、つまり多分蜘蛛蜥蜴はまだ、何もしてないんだ。そんな中急に現れそいつを蹴り、下顎を吹き飛ばした俺なら俺の方が恐怖、いや軽蔑の対象になって当然だろう。


俺は…




化け物、いや日立の気分を害す存在なのか…


違う違う違う違う違う違う!


俺は、僕は、俺はァ!


そして気づいたら目の間には薄暗い緑の肉塊があった。


【へへへ、ようこそこちら側へ歓迎するよ…】


【我が相棒(パートナー)よ】


久しぶりの更新。


許して下さい。

思いついたんです

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