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第4話 友達なのです?

「でーあるからして、こうあるからして、そうあるからして、」


(であるからしてうるさいです先生。

魔法の練習でもしますか....。みんなにバレないように。 )


『水よ来れ!』


うん!簡単簡単!次はこれを丸めるように...

喉乾いていましたからおいしいですね。魔法が使える特権でしょうか。

ん?寝ている人がいます。先生の授業で寝ると授業後注意して休み時間が無くなるんですよね。


『包みこめ!』


これで皆さんの視界が向かなくなります。


よしよし我ながら良い出来栄えです。

誰も見てませんよね?誰も...見てない見てない見て...あ、見られてた...。



「であるかして授業を終わります」

(結局最後まで言ってた....。

いやいや、それより私の席の反対側にいる右下奥の女の子。名前は確か新島美代【にいじまみよ】さん。全くお話した事がない。人と会話するとおどおどしてすごく赤くなる人見知りの女の子。だけどじっとこちらを見る....!)



(一旦ここから離れよう...!追求されるかもしれない。)


教室を離れて校舎を徘徊する魔歩。


(付いて...来ています。落ち着つくんだ私。焦らず平常心に。)


「おい、新島?あるからしてそこで何やってるんだ」

「ヒャウッ!?」


(おっ?なんだ?先生に呼びかけられている。

ナイスです!あるから先生!)


「今のうちに!」


その後下校まで尾行はなかった。


授業が終わり下校する魔歩。その足取りはまるで夜逃げするように周りを警戒しながらその場を一目散に立ち去る光景である。


(ここですよ。重要なのは。今日は急いで帰りましょう!

校舎を出て敷地内を出たらそこはァッ!!)


....居た。新島さんが。こちらを凝視している。


2秒ぐらい硬直が続いた。流石この人がこのような待ち伏せするストーカー気質は行動をとるとは思わない!そう考えていた魔歩


そんな事はなかった!!


我に帰る魔歩。この場を一刻も早く退散しようとする魔歩


「あ、新島さん。こんばんは。今日の授業大変でしたね〜」


身も蓋もない内容を話す魔歩。


「それではまたね新島さん。」

「少し待ってください柊さん!

柊さんって人、には言えない事情はお持ちですか??」


「なんですか?急に....。そんなものないですよ。隠し事なんて....おほほほ」

「そうですか。例えば特別な力を持っていらっしゃるとか。私柊さんが指で何かしているのを見ちゃったんです。

初めはただの癖かと思っていましたが、同時に車が爆発したり、たまたまトイレに行こうとしたら柊さんが教科書を何冊も抱えてトイレから出ていたり。」

「偶然ではないでしょうか?」

「偶然にしてはおかしな点がありますよ!」

「もう私帰りますね!」


(やばい、隠しようがない!この人は完全に私をマークしてる!逃げなきゃ!)

『すばやく動け!』


「あっ!待ってください!」


これでしたら足の遅い私も速くなれます!


魔歩はこの場を抜けて走り出す。美代も負けじと魔歩を追う。下校中の生徒の波を利用し距離を稼ぐ魔歩。


(まだ、追いかけてきます。新島さんストーカー気質じゃないですか!正直ちょっと怖い!!)


「柊さん待ってください!私...実は...キャ!」

「なによ!あんた!痛いじゃない!いきなりぶつかってきて。どこ見ての」


(ん?後ろから声が聞こえて...騒がしくなった。)


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

「謝って済む話じゃないのよ!どうしてくれるの!せっかくの服がボロボロよ!痛い痛い。」


うわ...うるさいおばさんです。でも今のうちに...


「これくらいの痛さを味わったのよ!」

「痛いです!ホントにごめんなさい」


....。

.....くっ


もう!


やるよ!やります!


(水よ。弾け!)


魔歩が生成した水のつぶてが相手の顎にめがけて飛んだいった。見事命中し意識が朦朧としているのが見えていた


「えっ?」


「新島さん今です!」


二人は急いでこの場をする


なんとか撒いた二人。もうあの人は追ってはこない。


「もう追ってはこないでしょう...」

「ありがとうございました...!」


魔歩は正体を隠しきれないと判断し告白した。


「ごめんなさい。私のせいで」

「もう良いです。私も隠していたのですから」


「....ステキです!柊さん!」

「ええっ!?」

「自身の事情を顧みず私を助けるなんて...

しかも魔法を放ってあのババアを追い払った!!」


おぉ...!なんか急に興奮して息が荒い。どうどう...。

「落ち着いてください!ね!」

「あ、ごめんなさい。初めての経験だらけだったのでつい...」

「でも、あの出来事は忘れません。なんかこうドキッとしたような感覚をしました」

「そ、そうなんですね...」

「ありがとうございました。とてもステキでした...。」


思わず涙を浮かせ抱きつく新島さん。


高校生活を送り出して1ヶ月半、奇妙な友達が出来ました。

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