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第二章

 中学まではこのような生き方で平気だった。でも、高校に入ったら、それではうまくいかなくなった…


 ローラが廊下の奥で私に手を振った。私は手を振り返そうと思ったが、その時、ある男性が彼女に近寄り肩に腕を回したので驚いた。『彼は誰?』と私は思った。ローラは私にこっちに来るようにジェスチャーしたので、私はちょっと緊張しながら二人に近づいていった。

 「彼はキャメロン・リンドバーグ。私の新しい彼氏よ。」ローラは手話で言った。私はショックだった。でも何か言わなきゃと思って、手話で、「おめでとう!良かったね。キャメロン、初めまして。会えて光栄ですわ。」

 キャメロンは私に笑顔を見せた。背が高くてハンサムな男の子だった。「キンバリー、こんにちは。こちらこそ会えて嬉しいです。」

 「それじゃ、二人でお幸せに!私は授業に行ってくるから-」と手話で言って私は逃げようとしたが、キャメロンは私の肩に手を乗せて、私を引き止めた。私は驚いて彼を見た。キャメロンは手話で次のように言った。「待って、僕の友達のチャールズ・シンプソンを紹介したいんだ。」

 こんな風にして私はチャールズと出会った。チャールズはハンサムで礼儀正しく、フレンドリーだった。チャールズ、キャメロン、ローラと私は良く付き合うようになり、私はチャールズの他のいいところも知っていった。彼は一緒にいて楽しいし、寛大で優しかった。彼はきっと私の運命の人。

 問題はどうやって彼に告白するかだった。

 ラブレター?いや、声に出して言いたかった。でも私には声がない。

 読唇術?手話?どれも適切ではないようだった。

 結局、私の結論は彼の告白を待つ、というものだった。彼が私に告白してくれたら、当然答えは、「もちろん、もちろん、もちろんよ!ぜひ付き合おう。ありがとう!」になるだろう。


 しかし、待っていると時間がとても長く感じてしまう。もう出会ってから何年も経ったように感じるが、実際にはまだ1週間しか経っていない。

 「チャールズ、こんにちは!今日はどこ行こうか?」

 この頃にはチャールズと数回デートしていた。しかし、彼はまだ私に手紙をくれていない。私の運命を変える、初めての彼氏が私にできる手紙を!

 チャールズはいつもの素敵なチャーリーな笑顔を見せて、手話で「今日は特別な場所に連れていってあげる」と言った。

 私は嬉しかった。一体どんな場所だろう!

 彼はドライブで、確かに特別な場所に連れていってくれた。それは、山の途中にあるカフェで、海の景色が美しい所だった。

 「美しいわね」と私は手話で言った。

 「うん。君も美しい。」彼は赤面しながら、目をそらした。そしてもう一度私の目を見て、「キム、僕と付き合ってくれないか?」と手話で言った。

 私はその時の彼の恥ずかしそうな顔、一生懸命に伝えようとする目、恐れている表情を忘れられない。

 私は笑顔になり、手話で「もちろん、ぜひ」と言った。


 私はチャールズと付き合っていて楽しかった。

 しかし、次の疑問は『いつキスしてくれるのだろう?』だった。

 チャールズと付き合っているとそのような疑問は尽きなかった。『彼は私のことどう思うの?彼は私と結婚するの?』

 私はローラにこのことを話してみた。

 ローラは笑いながら「キム、まだ16歳なのに結婚なんて気が早いんじゃないの?」と言った。

 私は「キスや私のことどう思っているかについては?」と聞いた。

 「もし知りたいなら彼に聞いてみるべきだと思う。いつも受動的に待っているだけじゃダメよ、キム。」

 ローラは私に大事なことに気づかせてくれた。恋愛では、もっと積極的にならないといけない。


 「チャールズ、いつ私にキスをしてくれるの?」私は手話で聞いた。

 チャールズは私にキスをした。「たった今だよ」と彼は笑顔で私に手話で言った。

 私は驚いた。何週間も悩んでいたことが一瞬で解消された!

 「私のことどう思う?」

 「君は世界一かわいい女の子だよ。」

 「私と結婚してくれる?」

 「もちろんだよ。」


 私は自分の見た目を気にするようになった。もっと社交的になり、強くなり、自信が持てるようになった。チャールズに出会ってから色々と変わることができた。

 他の人と出会うことで人って変わるものなんだな。

 でも、私は自分が疲れてきているのに気づかなかった。1日5時間しか寝なかった。私は、運転免許を持っていないことや将来に希望が持てないこと、チャールズの彼女にふさわしくないと思うことなど、小さいことを気にするようになった。つまり、うつになってきてしまったのである。

 チャールズは一生懸命支えてくれようとしたが、私はそれすら感謝することができなくなっていた。高校の終わりに私はチャールズをふってしまった。疲れて休みたくて、彼と付き合うことに罪悪感を感じてしまうからと言って。チャールズはそれでもいいと言ってくれたが、私は「ごめん、もう終わりにしよう」と手話で言ってしまった。チャールズは首をかしげながら、私と目を合わせずそのまま私の家を出ていった。

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