第4話 ハプニング発生?!
「今日もよろしくお願いします!」
「ああ!今日は新しいことを教える予定だ。着いてこられるか?」
「もちろんです!!」
「まずは素振り50回だ!」
ただ今ルナティアナはエレーミアの膝の上でレオルードの剣術稽古の見学をしている
(何これ、めっちゃハードなんですけど…
まだ3歳のお兄ちゃんに50回の素振りって、キツイのでは…)
ちなみに、剣術を教えているのはセインハルトの弟のラギレイドだ。今は貴族籍を抜け、冒険者ギルドのギルド長をやっている。
ギルドには、SS S A B C D E F G とランクがあり、その中の世界で14人しかいないSSランク冒険者の1人がまさかのラギレイドなのである
「…47!48!49!50!」
「よし、終わったな。1回水飲んで汗拭いてこい」
「はぁ、はぁ…、はいっ!」
レオルードは水やタオルが置いてあるルナティアナたちの方に来て、水筒を取って水を飲み、タオルで汗を拭く
「レオ。頑張ってるわね」
「早く力をつけて、ルナを守りたいので!」
「えう?」
「ルナ、見ててね!僕、もっと強くなるから!」
「う!」
(我が兄よ、頑張れ!)
「休憩時間終了だ!次は俺と軽い打ち合いだ。と言っても、俺はお前の剣を受け止めるだけで、お前は俺の隙を見つけ、如何にそこに剣を出せるかだ。隙を素早く見つけられるようになれば、闘いに早く決着をつけることも出来るからな。」
「はい!」
「じゃあ行くぞ?始め!」
「はああ!」
カン!カン!
「まだ始めたばかりだからスピードは遅くて構わん!隙が出来たところに剣を当てる事だけに集中しろ!」
「はい!」
(…やっぱりスピードは遅くてもいいって言ってもハードな気がするのは気の所為なのだろうか)
カン!カン!カ!
「あ!?」
「2人とも危ねぇ!」
(ん?…ん!?)
「#■¥Д@★Σ▲§◇!!」
「きゃあ!」
ヒュン!カン!カンカラカラ…カラ……
(あばばばばばばばば!)
ルナティアナは今物凄く心臓が高速で動いていた。何故って?
………顔の真横に剣が吹っ飛んできたからである
「ルナ!おかーさま!大丈夫!?」
「え、えぇ」
(あ、やばい、泣きなくないのに今の年齢に引かれて涙腺が…!)
「うっうええぇぇ」
「ルナちゃん!もう大丈夫よ!よしよし」
「ルナ、ごめんね…」
(ああああぁぁぁ。お兄ちゃんがしぼんでってるううぅぅぅぅ!事故だからお兄ちゃん全然悪くないのにぃぃぃぃ)
「ヒック、うえぇえ…」
ルナティアナは泣きながらレオルードに手を伸ばして抱っこをせがむ
「え…?」
「あらあら」
エレーミアはレオルードにルナティアナを渡す
「え、え?なんで…」
「…多分レオが悪い訳では無いことをわかってるのかもしれないわね」
「っでも、!」
「いや、確かにレオルードは悪くねぇよ。これは誰も悪い訳では無いんだよ。偶然起きだ事故だからな」
「それでも!」
「そんなに自分を責めないで。確かに危険だったかもしれないけれど、まずは無事だったことを喜びましょう。それに、今回の事故は見学する場所が近かったのも原因のひとつかもしれないのだから。」
「あぁ。今後、今回のことを改めて、気をつけていけばいいだけの事だ。だからそんなに気を落とすな」
「…はい。」
(やばい、これがきっかけで兄に避けられたらどうしよう!死亡フラグ立ってないよね!?あぁぁぁあこれからどうしよー!)
これからの兄弟関係に頭をフル回転させ、どうやって兄を慰めようかと模索するルナティアナであった




