第3話 ベッドの外 初めてのお庭
(……暇だ)
ルナティアナは今、だだっ広い部屋にあるベビーベッドに寝かされている。
(あ、そうだ。寝返りの練習しよう!
えーと、確か…手を振って、足も振って、遠心力使って身体を横に回転させるんだよね。よし、やってみよう。
せーの!………全然回らない…。
え、寝返りってこんなに出来ないもんなの?
嘘でしょ?
…これからの目標、寝返りができる様になることにしよ。)
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(ふっふっふー。
ついに!ついに!寝返りができた!
まさか4ヶ月くらいもかかるとは…。
そ・れ・に!手伝ってもらってだけどお座りも出来るようになりましたー!
やったね! ドンドンパフパフ!)
ガチャ
「ルナー!…ん?……何してるの?」
(あ、やば。ガッツポーズしてる赤ちゃんとか、頭おかしく思われるわ。)
「力こぶでも作ってるの?」
(Wow…そう来たか…)
「とりあえず、おかーさまが呼んでるから一緒に行こ?」
「あう!」
「よいしょっと。あ、ルナまた大きくなったね」
(赤ちゃんの成長スピードを舐めるでないぞ?)
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ガチャ
「おかーさまー」
「あーあー」
「お、来たか」
「あ、おとーさま!いつここに?」
「さっきだ。久しぶりに休暇が取れたから、急いで帰ってきた」
「今日は家族みんなで過ごしましょ!」
「うん!」
「あー!」
今日は天気が良かったのでお庭でお茶をする事になった
「はい、ルナちゃん。あーん」
「あーん」
ちなみに今ルナティアナ食べたのは赤ちゃん用のゼリーだ
他の3人はケーキやクッキーなどを食べている
(…ゼリー美味しい)
「おかーさま。僕もルナにあーんやりたい!」
「いいわよ。そのかわりに、お母様にもレオちゃんをあーんさせてほいなー」
「ぅえ!?」
(あ、顔真っ赤になった。可愛い…。お父さん、お兄ちゃんの頭よしよししてるし)
「ダメかしら?」
「っっ、…あ!」
(あ、口開けた)
「はい、レオちゃん」
「あむ…もぐもぐ」
(…可愛いの度が過ぎるぞ。兄よ。私の語彙力をどうするつもりだ。顔真っ赤にして口がもぐもぐしてるのはものすごく可愛い。)
「もぐ…ごくん。良し、はい!ルナ!」
「あーん」
(……うん、やっぱ美味しい!)
「ルナは美味しそうに食べるな」
(だってほんとに美味しいし)
「なんか凄く幸せそうな顔してますね」
「あー」
「はい」
「あむ。むぐむぐ…んく…へへ」
「あ、もう空っぽ」
「あら。じゃあ、ルナちゃんお手手を合わせて…ご馳走様でした」
「たーあ!」
「はい、よく出来ました!」
「お、ルナ、偉い偉い」
「あ、なぁレオ。最近剣術はどんな感じだ?」
「え?うーん…あ、そう言えば、この間また筋が良くなったなって言われた」
「お、また上達したのか!頑張ってるな!」
そう言ってセインハルトはレオルードの頭を撫でる
「えへへ」
(え、兄の剣術とかめっちゃ見たいんですけど!)
「あ、あー!」
「どうしたの?」
「あー!」
ルナティアナはレオルードの方に指を向ける
「僕がどうかしたのかな?」
「…あ、もしかして、レオのところに行きたいのか?」
(ちーがーうー!)
ルナティアナは首を横に振る
「んー…あ、それじゃあ、さっきの話からレオの剣術でも見たくなったのかしら?」
「あう!」
今度は首を縦に振る
「それなら今度の練習日に遠くから見させてもらったらどうだ?」
「それいいわね。レオ、いいかしら?」
「うん!僕は全然いいよ」
(やった!)
「確か、今度の練習日は2日後のはずだ」
「ルナ。お兄ちゃんのかっこいい所、一緒に見ましょうね」
「あー!」