第9話 話し合いと魔力測定
「なぁセイ、エレ。ひとつ提案がある」
「はい?」
「婚約者にはしない。だが、婚約者候補の筆頭ではダメか?」
「何故ですか?」
(確かに。なんで婚約者候補筆頭…?)
「そうすれば、こちらからも将来王子と結婚するのに1番近いからと言えば、爵位が低いやつは手を出しずらいだろうから守りやすい」
(成程、婚約者候補筆頭って、欲じゃなくてそういう意図があったのか。流石王様、頭良い)
「上位階級からは?」
「私のお気に入りとでも言っておけば良いだろう。手を出したら自分がどんな目に会うかも分からないからな。あといざと言う時は王家の秘宝の一つを使おうと思う」
「王家の秘宝?」
(え、秘宝!?今秘宝って言った?やっぱそういうのあるんだ!やばい気になる)
「あぁ。裁判のコンパスと言われている物があるのだが、それは嘘を付いているものを示してくれる物だ。数百年前、あまりにも嘘を着いているものが多すぎて沢山の貴族が断罪されてしまった。…そのせいでこの事件は揉み消されてしまったのだが。」
「それ以来この断罪のコンパスはあまり使われなくなっていたのよ」
「そんな事が…」
(揉み消すって…それ程までってどんだけ嘘つき居たんだよ…)
「まぁ取り敢えず話を戻して、どう?婚約者候補筆頭」
「…はぁ、そういう事なら。でもほんとに婚約者にはしないで下さいよ」
「あぁ分かってるよ。さぁ、話がまとまったし、次は魔力測定だね。聖獣と契約したことにより魔力がどれほど増えたのか確認しないと。」
「そうですね。量によっては魔法の授業を早めなくては」
(え、まじ?多かったら早めに魔法勉強出来るの!?……ん?あれ?ラジェが居ない。いつの間に帰ったんだろ…まぁいいや)
「測定器は持ってきているから早速測るか」
(え、測定器?何処に…え、………まさかの玉座の後ろデスか)
王様は水晶が上に乗っている台を先程まで座っていた玉座の後ろから取り出した
測定器で測れるのは魔力量と属性魔力。
属性魔力はそれぞれに、火の魔力、水の魔力、などそれぞれの魔力があり、その持っている属性で使う事の出来る魔法が決まる
魔力量は通常だと10万程度。多い人で15万程
属性魔力は3つ程度が普通である
ちなみに、測定結果は水晶の上に表示されるようになっている
「ではルナ、この水晶に触れてみてくれ」
「あい!」
ルナティアナはにそっと触れる。
「う!?」
(眩しっ!)
次の瞬間に水晶は、赤色・水色・緑色・黄色・紫色・白色・青緑色・灰色の計8つの色に光った
数秒たってその光がやむと、王様はすぐに水晶を見た
「これはっ!」
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魔力量 : 850913
【火属性】
【水属性】
【風属性】
【土属性】
【闇属性】
【光属性】
【時属性】
【無属性】
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「魔力量80万越えの上に全属性だと!?」
(へぇー属性魔力だから表示が魔法じゃ無くて属性なのか。ステータスでは○魔法って表示なのに。違いがよくわからん)
「わぁ。ルナすごい!」
「…これは…流石に隠してもいずれバレるでしょうし、ルナが自分を守る力を付けてから公表しますか…?」
「そう…だな…。いつか魔力が暴走しないように魔法の授業の時期をかなり早めなくては…。それに、自分の身を守れるよう体術をメインで教えて、一応剣術なども習わせた方がいいかもしれない…」
「あぁ。それがいい」
「というわけで、通常は5歳からだけど、ルナは魔力量がかなり膨大だから3歳になったら魔法の授業後始まるからね。剣術・体術は体力が付いてからにしよう。体力作りはこれからレオの剣術授業のときに一緒にやるといい」
「ルナと一緒に授業できるの!?やったぁ!」
(え、魔法の勉強早まるの?しかも剣術お兄ちゃんと習えるの?楽しみすぎる!)
事の大変さを全く分かっていないで呑気にそんなことを考えているルナティアナであった




