第7.5話 セインハルト視点
「えー…と、この書類がこっちで…これが…あ、ここか」
セインハルトは今書類整理をしていた。内容は国王に渡すものと領内の経営の資料である
「……はぁ。やっっと終わった…」
(疲れた…。エレや子供たちの所に行って癒されてこよ)
ドタドタドタドタッ! ガチャ!
「おとーさま!」
「レオ?どうした?」
「今時間ある?ルナとおかーさまとつみきですごいの作ったの!」
「ああ、大丈夫だよ」
(というか行こうと思ってたし)
「ほんと?やったー!こっちこっち!」
「あ、ちょ、走ったら危ないぞ!」
「だいじょーぶだいじょーぶ!」
(はぁ、全く…元気だなぁ)
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「おかーさま!おとーさまつれてきた!」
「あ、セイ。ふふっ見てこれ」
「ん?…え、デカ……これ城?」
「そう、お城。つい子供たちと張り切りすぎちゃいました」
「張り切りすぎちゃいましたって…これは大きすぎるだろう……」
(あと二、三十センチで俺の身長に届くぞこれ…)
「んー…やっぱりそう思うかしら?」
「うん……ねぇエレ」
「なぁに?」
「何かレオとルナがまた作ろうとしてるんだけど…俺の気のせいかな?」
「…気の所為ではないわね」
「今度は一体何を作る気なんだ?」
「ちょっと見てみましょうか」
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「「できたー!/でちたー!」」
「ふっ」
「エレ?」
「いや、あの子たち今日はよくハモってて…ふふっ」
「へぇそうなのか……またしてもとんでもないもの作ったな…」
「あら、これは…家?」
「うん!そーだよ!」
「…城を中心に家が…なんかこの国みたいだ」
「それもそうね…それにしても、こんな凄いものを作りあげるなんてこの子達やるわね」
(なんかエレの目がキラキラしてるよ…)
「それにしても、2人ともよくこんなの作ったね」
「これみたの!」
「ん?…これ、国の地図?」
「こおにあったにょ」
「あー、成程。多分これ俺が置き去りにしちゃったやつだ」
この国は城を中心に丸く作られていた。
南が工業地区、東が商業地区、西が市民地区、北が貴族地区となっている
地図にはそれが描かれていた
「それにしても凄いね!貴族以外の地区の屋根の色がそれぞれ揃ってる!」
工業地区が青、商業地区が緑、市民地区が赤と屋根の色が分けられていた。
これは文字が読めない人達のために屋根の色で地区の区別を付けられるように国がそう定めたのだ。
貴族地区は家の大きさで区別が着くので付けなくてもいいだろうということで色の指定は無い
「これを見て作ったから国に似ているのか」
「そういう事ね」
「にーに、そーそおごほん!」
「あ、そうだね!片付けなきゃ」
「あ、待って。念写だけさせて?」
「「いーよ!」」
(…確かに念写しとかないと勿体ない。うん)
「〖念写〗!……よし、出来たわ!片付け手伝うわ」
「俺も手伝うよ」
「「ありがとう!/あーがとー!」」
(…この家は賑やかだな……子供たちを見るともっと仕事を頑張ろうと思える。これからこの子達が何事もなくまっすぐ成長しますように…)