第7話 緊急家族会議!
(私のせいだけど物凄く居心地が悪い…)
エルヴァルト家の4人は今、重い空気を纏いながら長方形の机を囲むようにして座っている。
こうなった理由はーー…
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「…ルナ、もう1回言ってもらえるか?」
「あから、せーじゅーさんと、けーやきゅしたにょ」
「……はぁ。取り敢えず屋敷に帰ってからエレとレオを混ぜて話そう…。」
「あい!」
「どうしたの?呼び出したりなんかして」
「あぁ。ひとまず適当に腰かけてくれ」
「分かったわ。レオ、座りましょ」
「うん」
エレーミアとレオルードがソファに座った所で、話が始まった
「なぁエレ、レオ、これなんだと思う?」
セインハルトがルナティアナの膝の上に座っているラジェリイトを見て2人に問う
「わぁ!もふもふ!可愛い!犬?」
「えーと…、狼?狐…は違うわね…。やっぱり私もレオの言う通り犬…がいちばん当てはまる気がするわ」
「2人とも不正解だ。…実はな、」
「「実は?」」
「実はーーー聖獣らしい」
「え?」
「は…」
2人してたっぷり30秒位フリーズする
「え、と…ちょっと待って、聖獣ってあの聖獣?」
「それしか無いだろう」
「お父様!聖獣なんてほんとに存在していたんですか!?」
「あぁ、そうらしい。ちなみにもうルナが契約をしてしまった…」
「「え、ぇぇぇぇ!?」」
(こちらも2度目頂きましたー!…まぁ無理もないよねー。まだ1歳と3ヶ月の赤ちゃんが聖獣なんかと契約するんだもん)
「セイ!ルナの身体は大丈夫なの!?」
「流石に確認したが驚く程にピンピンしてるぞ」
「そう、どこも異常が無いならひとまずは良かったわ…」
「…ねぇルナ、その聖獣さんもふもふしていい?」
《ラジェリイト、お兄ちゃんにもふもふさせても良いかな?》
『良いぞ』
「にぃーに、いーよ!」
「やったぁ!」
『主、我の事はラジェとでも呼んでくれ。長いからな』
《ん?分かった!》
ルナティアナとレオルードがラジェリイトをかき混ぜるようにモフっていると、セインハルトが重い口を開けて言った
「これは陛下にも伝えないとやばいな…」
「えぇ…それに、こんな大事今までそうそう起きたこともなかったですし…」
「おーしゃまにゆーの?」
「あぁ。…でも多分言ったら王子の婚約者にされるだろうな」
「え?」
(まだ婚約者とかいらないんだけど)
「ルナに婚約者ができるの…?」
「あぁ。聖獣を欲しがる国はぞろぞろいるから国に繋いでおくためにそうするだろう」
「…まぁ、婚約のことは取り敢えず置いておいて、まずはこの事を王様に報告しにお城に行きましょう」
「あ、あい…」
「大丈夫だ。私が陛下に今は婚約を保留にしておくように言っておくよ。流石にルナの気持ちを無視してまで婚約者を定めたくはないからね」
(お父さんありがとう!)
ルナティアナは今心からセインハルトに感謝した
「じゃあ明日にでもお城に行きましょう。報告は早い方がいいわ」
「そうだな。」
(お城かぁ…。ゲームではちょこっとイラストに出てきてたけど、結構凝ってたんだよね。ホンモノはどんな感じなんだろう…ちょっと気になる…)