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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔法の先生

作者: 痩せちらかす

大規模魔法(戦略的魔法)は第二世代魔法ですね。勿論、単独(アナログ:第一世代魔法)で大規模魔法をぶっぱなす神話級の人はいます。

 少し肌寒い洞窟の中。短髪で清潔感のある眼鏡を掛けた細身の男と、金色の長髪に赤いリボンを結んだ女の子が歩いていた。

 洞窟内は暗いはずだが、男の肩あたりに光の玉が浮いており。周囲を照らしていた。


「よーし、イーシェ復習だ」


「はい、先生!」


「探索魔法は魔力線の反射を利用する。では洞窟などの屋内や、森の中等の屋外において、近距離で使われる一般的な魔周波は?」


「はい、反射しやすい低魔周波帯です!」


「エライぞイーシェ。正解だ。指向性を持たせるか、360°全方位に探索魔法を使用するかで、魔法の構築方法は変わってくるから気を付けるんだぞ」


「はい、先生!」


「ちなみに、今私が使っているこの光魔法については説明できるかな」


「はい。まず、生物の持つ魔力線の吸収性、級着性を応用し、魔素を吸着させやすい疑似物質を発生させます。そこに吸着した魔素に対し、魔素に高い魔周波帯で低魔力を当てると発光する特性を利用して蓄積させた魔素を発光させ続けてます」


「大正解だ。お、ちょうど先生のソナー(探索魔法)に敵が掛かったようだ。これは小さくて飛行型の魔物だな」


男が立ち止まると、イーシェと呼ばれた女の子も立ち止まる。


前方から、コウモリの様な魔物の群れが二人へ向かってきた。

男は右手を前に出して構える。


「ふんっ!」


ほんの一瞬、男の周りが光り、魔物の群れに向かっても光が走った。

すると、光を受けた魔物達の周りだけで爆発が起こり、魔物の群れはその爆発によって吹き飛ばされた。


「はい、退治終わりました。今使った攻撃魔法は、高い魔周波帯の魔力線を用いましたが、一瞬、魔素が光りましたね。魔素の濃い空間では魔力線の波長の振幅により、低魔力の箇所で魔素が発光してしまう為、隠密行動を取るときは気を付けるように。魔具を使えば、アンプやフィルターによって、より精密に魔力線を発射できるようになります。あとは、宮廷魔導師や一流のハンターなどは魔具無しでも精密な魔力線の発射が行えるようです」


「はい、先生!」


「では次に、一般的でない先生の索敵魔法(・・・・)に敵が引っ掛かったので、退治しようと思います」


男は壁に向かって手を向ける。

一拍をおいてイーシェに向かった。


「はい、終わりました」


イーシェは首を傾げた。


「さあ、壁の反対側へ行ってみましょう」


男は、にこやかに言うと歩き始め、イーシェは後をついて行った。

突き当たりを曲がり、先程の反対側の通路へ来ると、大蛇の魔物が焼け焦げて倒れていた。


「先生、これは?」

「これはね、極限まで魔力線を細め壁を透過させ、透過させた先の魔素に特殊な反応を持たせた魔法です。異世界の知識でニュートリノと言います。異世界では、その文明技術を以てニュートリノを物理的に観測出来る様ですが、我々は作り発信することしか出来ないのです。ちょっと難しい話になりましたね」


イーシェの頭から湯気が出ている様だ。


「更に付け加えますと、魔素の状態をきちんとコントロールすれば光魔法による、光信号・・・だけでも色々な魔法を発動する事が出来ます。単純に魔力線だけを使った魔法は簡単ですが、ジャミングされやすく、その発動の仕方を工夫すれば発動を妨害、阻害され難いということです。その単純に魔力線だけを用いた魔法を第一世代魔法。通称1G。魔方陣の使用や魔法に行動パターンを加えたのが第二世代魔法。通称2G。魔力線へより論理的且つ多量の情報を乗せることが出来る様になり、戦略的魔法が台頭し、魔法書による魔法習得も可能になったのが第三世代魔法。通称3G。魔道具を用いて誰でも魔法が使えるようになったり、アンプやフィルターによって、より魔法の威力や精度が上がったのが第四世代魔法。通称4G。第四世代魔法では治癒魔法が医療魔法へと、その魔法の概念の変革がもたらされました」


イーシェの目がぐるぐる回っている。キャパを越えたようだ。


「センセェ、ナンデ、マホウショ(・・・・・)マホウ(・・・)がオボエラレルンデスカ?」


イーシェは精一杯の質問をした。


「イーシェ、また良い質問です。答えは簡単です。魔方陣と暗示です。魔方陣は別に特殊な図形、記号や符号だけではありません。魔方陣となる文字に込められた情報魔法(プログラム)からは、決められた周波数の魔力線に乗って情報が発せられ、読者へ伝達されます。読者がその周波数の魔力線に適しており、体内魔力の波長に上手く絡めとれれば、その物の()全てに情報が、あー、魔法が使える状態に上書き保存されるということです。俗にいう一定のレベルやその魔法得る資格があれば魔法を覚えられるということです」


イーシェの頭からプスプスと音が聞こえている気がする。


「これからは5Gや、6Gの時代です。伝説の空間魔法や時間魔法、次元魔法などは個人が持つにはあまりにも恐ろしい技術(・・)です。私が貴方に魔法を教えるにあたり、探索魔法を見せたりこの話をしたのも、いずれ思い付く伝説の魔法について注意喚起する為です。世界(・・)魔法(技術)の発展を目指すと共に、その禁忌についての監視魔法を張り巡らせています。魔法は万能ではありませんし、この世界は1人で生きていけるものでもありません。もしかしたら魔物は、魔法によって人が傲り高ぶらない様に、超常的存在によって生み出された生きとし生けるもの全ての共通の的なのかもしれないという学術もあるくらいです」


イーシェはもう体がフラフラしている。


「では、今日の授業はここまで。次回は戦略的魔法が何故廃れたかと、その国を滅ぼす様な巨大呪文のジャミングが、一体どの様になっているかを講義します」


「ハ、ハイ……センセ~」


ジャミング(干渉魔力波長)について説明。そのまえに、大前提として、魔力線は自然界からも発せられております。精霊や妖精など魔物以外の魔法生物についても触れられる機会があればと思っております。で、ジャミングに戻りますが、要は混線です。魔力線に乗せる信号が、同一または近しい周波数によって魔法の発動までにぶつかり合うと、正しい魔法にならないわけです。簡単にいうと、魔法側が正しい信号(指令)はどれ?ってなるのです。

ではまた!

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