勝敗の行方
「条件? 意味がわからんな。なぜ自分のものを返してもらうために、君の条件を聞かねばならぬのだ?」
イエス・バット法程度の魔法では通用しないか…。
<ビジネスメソッド:エビデンス>
言った言わないの証拠や言質を映像として再現する。つまりここにマニーの残像が映し出される。
「はい。性奴隷として扱っていました」
余裕の表情だったエレッドの顔が崩れる。ざまぁ見ろっ!!!
「こ、これは…」
「証拠ですよ、これを街の警備兵の詰め所で、もう一度…出しましょうか?」
どうだ? 早速、詰んだかエロじじいめ…。
「ふっ。詰め所か…。確か、警備兵のスポンサーは…我がグレベッド工業だ。言っている意味がわかるかね?」
くそっ…エロじじい強いな…。
<コール:リテラシー>
情報を自身の目的に合わせて正しく取捨選択できる能力を向上させる。
<コール:ベストプラクティス>
過去にあった最高に効果的で高率的な事例を元に実践する方法を導く。
来たぜぇ…次で、終わりにしてやる…。
<サモン:ステークホルダー>
利害関係者を強制的に呼び出す魔法だ。ここでは警備兵のスポンサーでありライバル企業の社長ヒューブラウンを呼び出した。
「ここは? エレッドさん? どういうことでしょうか?」
俺はエレッドの行いを全てヒューブラウン社長に告発する。
「わかりました。ですがライバル企業であっても、潰れることな望んでいません。ですから、エイサルさんの要求通りマニーの引き渡しと、現在エレッドさんが保持している奴隷を私が買い取り、そして今後は一切奴隷を買わないことを約束して頂きたい」
「わかった…それでいい」
エレッドが落ちた。俺は迷わず次の魔法を発動する。
<ビジネスメソッド:コンセンサス>
関係者に絶対的かつ恒久的な同意を支援する魔法だ。これがかかれば逃げられない。
屋敷を出ると<ビジネスメソッド:リソース>で馬車を用意する。
ヒューブラウン社長に感謝すると「これは貸しだからね」と言われてしまった。