戦闘開始
朝食を食べる前に聞くような話じゃなかったので、食後改めて話を聞くことにした。
「グレベッド工業の創設者エレッドに買われたのか。彼に関する酷い噂は聞かないが…何があったのか、教えて欲しい」
ソファーに座っているマニーは、酷く怯えた顔をして、思い出したくない過去を話し始める。
「最初は優しく誠実な方だと思いました。でも…見てしまったのです。奴隷の女の子を…」
チラリとフラッツを見て話を止めた。
「すまん、フラッツ。気を悪くしないでくれ…」
「いいえ、大丈夫です。マニーも俺のこと思ってのことだと思いますから。話が終わりましたらお呼びください」
フラッツは自室に戻っていく。
「で、辛いが続きを話してもらえるかい?」
「はい。性奴隷として扱っていました」
「なるほどな。一応、表向きでは元貴族の奴隷に対する性的行為は禁止されているはずだ」
「他に何かあれば聞いておきたいのだが?」
「はい。それを見てしまった晩に、私の紅がどうの様に作用したかわかりませんが、あの場に倒れていたのです。役に立たない情報ですいません」
俺はフラッツを呼び戻すと、部屋に誰が来ても居留守を使うようにと指示する。
マニーから聞いたエレッドが住んでいる場所へ向かう。
<ビジネスメソッド:アポイントメント>
面会や会合などの約束の結界を屋敷全体にかける…。これは…魔力が辛い…。
エレッドは街の高級居住区に住居を構えていた。門番にマニーの事を伝えると、エレッドも術中に上手くハマったようで直ぐに会うと伝えてきた。
待合室に通されると創設者エレッド自身が出版しているグレベッド工業の関する本を手に取る。
<ビジネスメソッド:ナレッジ>
本の中から付加価値のある情報を瞬時に読み取り記憶する。
本を読み込んでいると、エレッドの支度が整ったとのことで、応接室に案内される。
応接室は豪華絢爛とは無縁の場所だった。エレッドは質実剛健を良しとする人物と世間では通っていた。応接室にはエレッドが待ち構えており、着座するとエレッドとの交渉が始まった。
「余計な挨拶は無用。早速、マニーを返してもらおうか?」
<コール:イエス・バット法>
相手の主張を受け入れ相手の隙きを狙い反論する効果を3倍に上げるバフを自分にかける。
「そうですね。しかし条件があります」