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ベイビー

目覚めると自分が赤ん坊だと気が付く。


若い社員が異世界なんとかという幼稚な話をしていたことを思い出す。


その導入部分にそっくりではないか? これはその実体験なのか?


さっぱり意味がわからん。人生をやり直したところで、俺は俺。性格など変わりはしない。


また長い年月をかけて、一人寂しく死んでいくのだろう…。


予想とは違い、毎日が楽しかった。人と人が互いに助け合わなければ生きられない厳しい環境だったが、それが本来の人の人生ではないのだろうか?


俺は両親の愛情と男だらけの十人兄弟の八男坊として鍛えられながら、街の仲間と共にすくすくと育っていった。


「ほら、エイサル。とっとと寝な。明日は誕生日で、洗礼の義なんだよ」


母親のメイサが怒鳴り散らす。そんなの知っているさ。だから、楽しみで寝られないんじゃないか。


勇者に選ばれたら…。属性が火だったら…。


無限とも言える組み合わせに、少年たちの想像力は掻き立てられるのだ。


翌日、朝起きて深呼吸する。浮足立っているのが母親や兄弟に知られるのが恥ずかしい。


現時点で、友達の中で最高の組み合わせは、戦士と風の組み合わせだった。


「俺は将来冒険者になるっ!!」


誰もが羨ましがる組み合わせだ。俺も次へ続きたい。


特に神殿でやる儀式だからと言って、正装する必要性もなければ、お祭り的要素もない。


ただ神殿に行って天職と属性を見るだけなのだ。


俺は母親に連れられ神殿に入る。神殿は家から近いのだが、なぜか近寄り難く入るのは今日が初めてだった。


「へぇ〜、こんな感じなんだぁ」


キョロキョロする俺の頭をペチンと叩く母親。「静かにするんだよ、まっすぐ前見て歩く」


通路の一番奥には二人の神官と大きな水晶が置いてあった。


その水晶、魔道具”理を見る物”に触れるように言われる。


水晶の中にはバチバチと稲妻のような光が出続けていた。


「これ、触れたら痛いんじゃない?」


「いいから、とっとと触りなっ!!」流石の母親も神官の視線に押され気味のようだ。


触ると水晶に文字が浮かび上がってくる…。


天職:商人 属性:KY


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