実績の後に
俺は自分のデスクで先月の給与明細を確認する…。あぁ…やっちまったかな…格好つけすぎたのかな…。
何でだろう…。天井が歪んで見える…。これは…涙というやつなのか…。ぐっすん…。
「エイサルっ!! エイサルはいないのかっ!!」
「ちょっと、コロトラーナさんが呼んでいるわよっ!!」
隣の席のリリーが肘でぐいぐい押してくる…。えっ!? コロトラーナさん!?
「は、はいっ!! エイサル、ここですぅ!!」
両手を振って席を立ち、慌ててコロトラーナさんに駆け寄る。
「ボケッとするなっ! ボケっ!!」
うわっ…コロトラーナさん、ご機嫌斜めモードじゃないっすか…。
コロトラーナの部屋に通されると、顎で座れと指示された。
「まずは、昇進の辞令だ。来月から主任として頑張るように」
「えっ!? お、俺が主任ですか?????????」
「おい、?が多すぎるぞ。まぁ、年功序列で考えれば、一番下っ端のお前が主任になるのはおかしいが、実績が桁違いだ。誰も文句は言わんだろう」
「あ、ありがとうございます。しゅ、主任として職務を全ういたします」
「まぁ、少ないが給与も少し色を付けておいた」
「何から何まで…ありがとうございますっ!!」
コロトラーナさんは、その話は終わりだと言わんばかりに次の資料をテーブルに置いた。
「ヴェッェラーゼ男爵の件だが、取引の最中は傭兵たちで固められているだろう。こちらも警備兵との連携が重要になってくる。また…実はな…」
ヴェッェラーゼ男爵の件はきな臭いのか…。
オフィスに戻ると、全員から「主任、おめでと〜」と祝福される。
前世では全力リストラまっしぐらの老害だったのに…。
この世界では、わずか16歳で主任になれた。
タイトルも、”主任エイサル”に変えた方が良いのではないか?
嬉しさを隠しきれない俺はトイレにビバークする。トイレの鏡で改めて自分の容姿を確認する。
黒髪、黒い瞳、全体的に幼い感じが残る…典型的な高校一年生って感じだ。
ぶ、不細工ではないよな…。イケメンでもないが…。身長だって166cm。ちょっと低いかな。
体臭もない。お腹だって無駄な贅肉はない。性格は…おっさん臭いとたまに言われる。
恋がしたいのだぁ…。
仕事も恋もできる男になりたいのだ…。
どうすりゃ…いいんだよ?
と、まぁ…こんな感じの話になってきましたね。
今後の展開はどうなるのでしょうか?