第7話 リスタート
訓練を終えてから一年がたった。
俺は名古屋に派遣され、日々ストレンジと戦う日々だ。
正直、地獄の訓練に比べたらストレンジとの戦いはちょろい。
俺は空を見た。隕石が降っている。
そしてため息をつく。
今日も戦いが始まる。
ストレンジは基本目がうまく機能していないため、無作為に攻撃を繰り返す。
そのため、ストレンジを倒すには、パワードウォーマーの出力を上げ、高速で倒す必要がある。
しかし、大半のソルジャーはこの動きに耐えきれず、一方的な攻撃を受けてしまう。
ここまで何人ものソルジャーが目の前で消えていくのを目撃した。
そういえば、尾崎や宮田は大丈夫なのだろうか。
少し気になった。
というようなことを考えていると、後ろから「おい!来てるぞ!」と仲間の声が響いた。
気づくと至近距離にストレンジが数体近づいてきていた。
俺は、ウォーマーの出力を上げるためベルトのボタンを押す。
その瞬間、体が引っ張られる。
風に乗った俺はストレンジの弱点である右手のコアを破壊した。
ストレンジは砂のように消滅してしまった。
倒してもキリがない。
もはやこの街にはソルジャーとストレンジしかおらず、民間人はどこにあるかもわからない地下都市で生活している。
では何のために戦うのか。
人もいない都市で、自らの命をかけてまで。
俺はやる気に満ち溢らていたあの時と違って、憤りを感じた。
高配給と言えども貨幣を使えるような店はなく、食べ物は美味しいとはお世辞にも言えないものばかりだ。
俺は理想と現実のギャップに苦しんでいた。
政府内
A 「 ニートの消滅を図ったあの法案も結果が出ているようでなによりだ。」
B 「事実ストレンジも減少しています。このまま行けばニートとほぼ同時に消滅するでしょう。」
A 「すでに、世界は壊滅的な状態だ。
あとは日本だけ。全ては計画通り。」
そう話し合いながら二人は手元にある資料をパラパラとめくり始めた。
㊙︎
ストレンジ対策傭兵特例法(ニート消滅法)
残りソルジャー(ニート) 700
残りストレンジ 8000
目的 ソルジャーとしてニートを徴兵し、国に利益を生まないニートを殲滅する。
財団との提携を結び、人類選抜を行い、日本国領土を世界に広げる。
名古屋
俺は、実務を終え、携帯を開いた。
尾崎に連絡を入れる。
久しぶり。そっちはどうだ?
すぐに既読がついた。
こちらのストレンジはほぼ消滅した。
俺は来週から、東京に派遣されるんだ。
宮田は?元気か?
ああ、咲良か。
元気だと思うよ。
1ヶ月くらい連絡してないけど。
おお、そうか。
連絡してやれよ(笑) 幸せにしてやれよ。
宮田にもよろしくな。^ ^
相変わらずいいやつだ。
俺はそう心の中で思った。
俺は半年前、宮田咲良と結婚した。
互いに離れてはいるが頻繁に会ったりしていたのだ。
1ヶ月前までは。
そして、俺は連絡を取っていなかった咲良に元気?という連絡を入れて就寝した。
だが一週間経った今も連絡は来ない。
どうしたんだろうか。
そんな不安を抱えながらリニアモーターカーに乗り、俺は大阪へと向かった。
To be continued...
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新章スタートです。
なかなか文がまとまっておらずすいません。