第6話 運命と別れ
長かった訓練も今日で終わりだ。
ここ数日はパワードウォーマーを着用してのより実践的な訓練が続いている。
ストレンジを模したロボットを相手に、パワードウォーマーの特徴を生かし様々なアプローチで攻撃をくりかえす。
ロボットを破壊した俺は汗を拭い周りを見る。
横では尾崎が高速アタックを繰り返し、宮田も銃を使った遠距離攻撃をしている。
こいつらとも今日が最後か。
少し涙がこぼれる。
学生だった頃には味わったことのない気持ちになった。
すると、訓練を終えた二人が寄ってきて俺を見て笑っている。
俺も涙を拭いて笑った。
楽しい。
もっといたい。そう思った。
夕刻となり、ついに訓練の終了が告げられた。
荷物をまとめ、派遣先が告げられた。
俺は名古屋、尾崎は東北、宮田は大阪。
みんなバラバラになってしまった。
たった1ヶ月だったが非常に濃かった。
本来の目的を忘れるほどに。
俺たちは別れを惜しみながら記念写真を撮った。
人生でこんな友達できたことあったかな。
勉強だけに捧げてきた青春。
親だけは俺を優しく育ててくれた。
そんな親はもういない。
友達のいなかった俺にとってこいつらは今や家族のような存在だ。
ありがとう。
感謝を伝え、俺は名古屋へと向かった。
その頃、
...「 訓練も終わりここからが本当の始まりだ。
我々の目的のために頑張るのだ。」
「マスター、本当にこんなこと意味があるのですか。我々は何も人間にされてはいません。それよりも共存できる世界を築くべきだ。」
…「何のためにソルジャーに紛れさせたと思っている。我々のしていることは国家プロジェクトだ。頓挫してしまえば全てが終わる。
言葉に気をつけろ。」
尾崎は拳を握りしめた。そして自分を恨んだ。
人とは思えない右手で携帯電話を持つ。
表示されていたのは3人が笑顔で写った写真だった。
To be continued…
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