第4話 過去と秘密
前回までのあらすじ
ついにソルジャーの訓練へと参加した浩聖。そこでニートとは思えないほど元気な尾崎、美人の宮田、ボーイッシュガールな大野と出会う。レクリエーション中、大野の口から衝撃の過去が語られる…
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「実は私、両親がいないんだ。小学生の頃から。こんな話するのはおかしいけど。 」
俺たちは何もいうことができなかった。いや、正確には俺以外が。
俺は聞いた瞬間胸が痛くなった。
同時に俺と同じ過去を背負っている大野に同情するのもおかしいと思った。
自分も同情なんかいらないから。
続けて大野は言った。「まぁでも、もう慣れっこだよ。
ニートになっちゃったのはなんで働くんだろうって悩んでたから。
私の両親は仕事中の事故で亡くなったから。」
俺は自分のことを思い出した。
確か、大学の時か、、、
俺はあの日朝寝坊して親とも口を利かずに出て行ってしまった。
講義が終わり、友人と学食を食べていた時、携帯に連絡が入った。
父と母が亡くなった。と
あの日両親は海外旅行へ行く予定だった。
だがその飛行機が墜落し、両親含む乗客全員が亡くなった。
事故の原因は未だに解明されていない。
俺はあの時すごく後悔したんだった。
なんで話さなかったんだって、
なんもできなかった自分に嫌気がさし、あの日から外には出ていない。
お金は親戚が仕送りで送ってくれるお金と、事故の慰謝料でなんとかなってはいるが、慰謝料については未だに手をつけていない。
今の俺を見たら親父とおふくろはなんて言うんだろう。
そんなことを考えていたら涙が自然と出てきた。
それを見ていた皆んなは不思議そうにこちらを見ていた。
だが視線を察し、急いで笑顔を取り繕った。
こんなこと誰にも言いたくない。
ちょうどレクリエーション終了の合図が鳴った。
今日はこのレクリエーションのみで終わった。
寮へ帰ると一人につき一部屋与えられ、食事や風呂は共同であるものの、それ以外は全て部屋に備えられている。
何より驚いたのは、自販機が全て無料であるということだ。
一体どんなものを入れているのか、多少は気になったがすぐにどうでもよくなった。
それよりも俺は大野のことが気になって仕方なかった。
あの場ではみんなで大野を慰めたが、大野は辛そうだった。
俺は交換した大野の連絡先を見て電話した。
すると大野は元気そうな声で返事をした。
もう吹っ切れたのかな。心配はいらなかったか、
たわいもない話をして電話を切ろうとした時、大野は「田山くんは優しいね。ありがとう。」と言った。
俺は久々に感謝され、少し顔が赤くなった気がした。
翌日、俺が起きると外がざわついていた。
なんだろう、ぼやけた目をこすりながら見ると、白い防護服にガスマスクをつけた人たちが誰かを運んでいた。
目を凝らすと、それは大野だった。
少し路線がそれたかも。
読んでくださりありがとうございます。
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