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謎のメモとイニシャル

 友里花は住所録を眺めながら言った。

良く覗きこんだ。

かなりの人数の名前や住所が並んでいる。

「これが松本さんのつきあいリストですね」


「あるいはこの表の誰かが関わってるのか」

小倉が言うと友里花は気づいた。



「あれここに女性の名前が」



 それは一際友里花の目をひいた。

彼女が男女関係に敏感なだけでなく。



 これはかなり大きい発見と言って良かった。小倉も確かに気になって反応した。



 確かに割合目立つ場所に「圭子」と書かれてあった。

それは非常なインパクトを発していた。


「じゃあこの女性が何か関わってるのでは?」

「そうねえ、確かに女物の服あるし。この住所録女性の名前少ないし」



「ここにメモがあります」

何となくそのままの事を小倉が言い、友里花がしぶしぶ同調すると、北条は既に気付きメモを手にしていた。

「さすが」と小倉は思った。



 そこには「2m」と書かれていた。

電話の横にあるメモにあまり綺麗でない字で書いてある。

これは松本の筆跡だろうか。



 これも意味はわからずとも大きい手掛かりと言って良かった。

「ほら2mって」

「2m?何かの暗号か」

判で押したような回答に、友里花は関連性を考え、続けた。



「じゃあこのメモはその女性と会う場所?」

「これをメモでなく写真に撮っておきましょう」

北条なりの思惑があるようだった。



 3人はカメラでスポーツ新聞のページを撮った。



 3人は話し合った。北条は切り出す。

「圭子に2mのメモですか。3日間の間に何があったのか。

どこへ行って何を調べれば足取りがわかるのか。何かありませんか」

「2人で野球を見に行ってたのはなんとなくわかりますがその後は」

「それに監視カメラは何かしら」

 

「監視カメラで覗かれてるなんて物騒な話です。カメラ屋に持って行って解析しますか」

「いえ」

「何故ですか」

北条の反対に小倉は疑問を感じた。

「犯人が証拠となるカメラを取りにくる可能性があります」

「我々に存在を知られて何かしてくるかも」



「いえ、それだけでなく、カメラは松本さんがつけた可能性もあるのです」

「ええ?」

「失踪後に誰かが入ってきてないかチェックするために。推論ですが」

「じゃあ松本さんはどこかでカメラを通して部屋の様子を見ている?」


「まだ結論ではありません。まずは松本さんがどこに行ったか」

「後、その後もそうだし、その女性がどういう人で関係か最重要よ」

友里花の意見に小倉も続けた。

「数日間いなくなるならどこかに泊まらなければならないでしょう」



 小暮が言うと友里花も言った。

「時間をつぶす場所も必要ですよ。この世の中は道端に立ち止まっていれば不審な疑いをかけられる」

「とすると喫茶店とか」

と友里花が言うと小倉は言った。


「喫茶店はほぼどこの駅にもありますからね」


「で、夜は誰かの家に泊まっている?」

友里花は洞察を働かせた。

小倉は友里花と考えをぶつけた。



「今も誰かと一緒にいるんでしょうか、それを考えると会社を無断で休みその後も帰らずそれでもなおしなければならなかったことがあったのか。それは一体何なのか、何をしようとしたのか」



 3人は考えたが北条は切り出した。

「犯罪者に捕まっているのではと言う線も忘れてはいけません」

北条は横からさとした。友里花は不安になった。

「だとしたら一刻も早く探さないと」

「どうやってだれといるか探るんですか?」


 そこに北条は気づいた。

「ここにマッチがおいてあります。しかもスライドして開いていて出しかけのマッチがあります。ふむ」

「あっ! ここ!」


 小倉は気づいた。

「マッチで文字が作ってあります! ほら「ILHBL2」と、これはたぶん重要人物のイニシャルですよ」


「うむ。そうかもしれません」

北条は「かも」と言う表現にとどめた。それを感じとった小倉は自分の未熟さを感じた。


「まずは聞き込みをしましょう」

どこか落ち込んだ小倉を元気つけるため、北条は落ち着き払って行った。


 まず聞き込みが捜査のもっとも基本的な部分だとよくわかっている表情だった。

しかし三上は聞き込みが基本的すぎるためにすぐ松本はみつからないのではと疑問を感じた



「聞き込みはやはり目撃者捜し?」

「それもありますが」

と言い先を言わず北条はアパートの外へ行った。


 

 アパートの近くから聞くことにした。

「松本さんの人格や見られ方についてというメモをとっています」

「それで松本さんの行動傾向を探るわけですか」


「ええ、さっきから知ろうとする、メモして体系に使っています」

「どう思われている人なのかと」

「でも怪しくない人が犯罪犯す事ありますよ」


「ではアパートの周辺から聞き込みを始めましょう」

老人や主婦に松本の事を聞くことにした」


「月曜日ですか? うーん。確か朝5時ころごそごそ人がアパートから出て行くの見たな。

「それは松本さんですか?」

「はっきり確認できませんでした。私は実は朝早く目が覚めておなかが減って近所のコンビニ行こうと思ってたんですけど」

「5時ころですか?」


 小倉は離れて言った。

「あの記憶まばらじゃないですか?」


 また何人かに聞いた。

「朝ジョギングしてることありますねこの人」


「散歩してるのは見るね。でもこの3日はどうだったかな」


「休みの日顔を見る事ありますね。でも土日はどうだったかな。覚えてないな」

友里花は核心をつき、鋭く切り込んだ。


「女性が部屋に入っていった事とかありませんか」

「いえ全然」

しかし次の聞き込み相手は決定的な事を言った。


「何か怪しい人から鍵みたいなものを受け取ってましたよ」

「鍵?」

「ええ、てのひらに乗るようなもので。あれは鍵のかたちしてたよ」

「それは本当ですか?」

さすがにこの証言には一行の心が動いた。


「2m、圭子、マッチ棒の文字、野球を見る予定、まだ全てつながってはいませんが関連性があることは間違いありません」



「これはかなり怪しい事件に関わっているのでは?」

「しかし、どこの人なのか今の時点では皆目見当がつかないし手がかりもない。これから松本さんが関わっている人物を洗い出してみましょう」


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