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続く捜査

 三上は不安になった。急にそわそわしてきた。


「それは犯人のような人物がですか?」


 三上が落ち着かないのを知って北条は言った。


「いえ、松本さん自身がです。つまりこの部屋が失踪調査依頼を受け物色される事を見越して、わざと少し散らかした可能性があるのです」


 これにはさすがに三上は驚いていた。


 答える北条に三上は再度聞いた。

「ええ? では失踪したのを知られたくないから?」


「そう考えられます。仮定ですが」


 北条に続き、友里花は言った。

かつ三上にわかりやすい様説明した。

「動かした物は元にきちんと戻すタイプですね。これならいつお客さんが来ても大丈夫だ。と、そうですお客さん、つまりどのような人物と会っていたかがキーなのです。ここによく招き入れる関係の人もいたのか。誰とどのように関わって何をしたか、が重要、最重要です」


 小倉はさらに追加説明をした。

「ここ最近、と言うか前からどんな人間と会ったかと言う事ですね」

「えっ、どんな人間って、まさか犯罪者?こわいなあ」

また三上の顔が青くなった。

「あまり怯えさせない方が・・」

友里花は言った。


 三上は再度不安になり小倉は説明を加えた。

「もし悪人と会った場合、共謀の関係、片方が被害者、加害者。もしくは脅されてる等が考えられます。無論今の時点では推測ですが。どんな人間か、またどんな関係かと言う事です。また最初は対等な関係であってもそれが崩れ松本さんが下になる事もあり得ます」



 友里花は言った。

「何か推測の裏付けになるものはないかしら。もし別の人間が関わりこの部屋に入っていれば物から指紋が採取できるでしょう」


 北条たち3人は辺りを見回した。

「では床まで隅々までチェックを始めましょう」

「はい」

小暮と友里花は床のごみなどをチェックし始めた。シャツも2着ほどだらしなく置いてあった。


 床掃除はきれいにされていた。

掃除機を良く書けていそうだ。が、靴下は少しだけ落ちていた。

洋服も少し床に落ちていた。

じゅうたんにほこりは少ない。

机ももぞうきんで水拭きされていると思われる。



 友里花が北条に伝えた。

「タンスを探しましたが背広が残ってます。背広だけでなくクローゼットの衣服も少し減っています。あとここに・・」


「女性ものの服があります。セーター、コートなど。これは女性と暮らしていた決定的証拠ではないでしょうか」

「ほう、5着ほど女性の服がありますな。これは大きな手がかりだ」


北条は納得し、考えを推し進めた。

「と言う事は背広でなく普段着で行った。会社に行くつもりではなかったのですね。しかもクローゼットの衣服を持ち出して」


 食べ物は机の上には置いておらず、冷蔵庫にもそんなには多く入っていなかった。にんじんやキャベツ、レモンなど生の野菜果物も入っていた。


 新聞や雑誌は片づけてありまとめて縛ってもあった。

娯楽的な物はあまりない中、スポーツ新聞だけが大雑把に部屋の隅においてあり応援メガホンも隣においてあった。

キッチンは良く洗ってあった。

もちろん三角口や生ごみいれやキッチンペーパーまで調べた。

除菌剤は何を使っているかも入念に調べた。

本棚も整理されていた。


「あまり無駄がない部屋です」

「誰かが入ったと言う事は」

三上の問いに北条は答えた。

「人を中に入れていた様子はないですね。トラブルの線を考えると松本さんが人を中に入れた話をされた事はありますか」

「いいえ。そういった話は・・」


「お客様があまり入ってこないからちらからないのかも。スポーツ新聞だけ置いてありますね。メガホンも」

小倉はスポーツ新聞を気にしたが北条は指摘した。

「もしかしてスポーツ新聞にメモがあるかもしれません。ただ球場に行くとニセのメモを残して実は別の所へ行っていたとかそう言った線もあります」

「それは先ほど仰った松本さん自らが捜査をかく乱させようと?」

「わざと?」


「犯人がそれをする可能性もあります。殺人あるいは2人で共謀して犯罪を犯した可能性は十分にありえます。今見えている人間関係で、これまでから最近までいつ、どこでだれと会ったのか。そこで何がありどういった関係があるのか。暴力、詐欺、脅迫、愛憎など

なかったか。犯罪というより取引などで多額の金を動かすためにあったなどもあります。ビジネスであってもなにを扱っている取引か。またそこからこじれる人間関係もそうです」


「カードや通帳などはありません」

友里花が調べ北条が聞く。

「最近大金を引き落とした後はないでしょうか。あるいは入金も大きな手がかりになります」

「何か決定的手がかりはないかなあ」


小倉が嘆息すると落ちているものに気づいた。

小倉の目が新聞の中を見るなり一点を

鋭く見た。


「見つかりました。スポーツ新聞にメモがあります14時に●○球場と」

「ほう、それは大きな手がかりですよ!何曜日ですかスポーツ観戦の日程は」

「日曜日と書かれています」

友里花は少しはいった。

「これは先週の?ただこれはただの趣味で参考になるか・・」

「誰かご友人と行ったのか」

三上の問いに小倉がまた気づいた。それに北条が答える。

「あっ電話の横に住所録が」

「ふむ」


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