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真相解明まで

「まずチーフ。交遊費とお金を使っていたしかし従業員と江坂さん、金の管理についてかなりの所を握っている」

「増田さん、以前から口論が絶えなかった。チーフや主任のお金の使い方を批判しそれを探っていた。江坂さんの話もききそれを批判し」

「三崎さん、ずっと江坂さんを恨んでいた。そして追って来た。いたずら電話もかけている」


北条は屋敷の1部屋を借り皆を集め事件の説明をする事になった。さすがに強い緊張感に包まれた。皆何の話か、嫌な気持ちだと言うような顔をし顔を見合わせている。何せこれから犯人が発表されるのだ。それをいさめ落ち着かせるように北条は穏やかな口調でいい、気持ちと視点を誘導するように手を叩いた。


「事件を整理しますと、まず、他の女性スタッフは休憩室でトランプ大会を開催して三崎さんはそれに参加していたが、江坂さんと増田さんはそれに参加していなかった。そして増田さん本人の弁ですが当日7時半ころは増田さんは部屋で休んでいる江坂さんの所に行き口論を吹っかけた。それを他の人はだれも知らなかった。しかし江坂さんは田中主任に事前連絡を内線でしていました。「増田さんがその頃向かってきて口論ふっかけようとしているから場合によっては助けに来てくれとあらかじめ読んでおいた。その頃、三崎さんはトランプ会を抜け出し内線で江坂さんに『これから殺しにいく』と電話しその記録が残っていた。しかし本人はいたずらのみの目的で殺すつもりはなかったといいました。その後三崎さん本人から江坂さんを憎んでいた事、復讐しようと追ってきたこと、さらに事件がおきた時間に三崎さんを1階の江坂さんの姿を発見し、田中主任がそこへ行くとだれもおらず、第一発見者の増田さんが頭から血を流している江坂さんを発見した」


「と言う事は犯人は三崎さんですか?江坂さんを殺し増田さんがやったと見せかけた」


「いいえ。田中主任は電話があった事はしらない。増田さんが江坂さんの部屋にむかっていた事は一切知らなかったと言いました。しかし主任のお部屋には各所からの内線連絡記録機能が全て備わっていました。その時に席を外していたとしても後からすぐわかる仕組みになっていたのです」


「じゃあ田中主任は増田さんが江坂さんの部屋に向かっていた事を知っていた?」

「はい」


 田中は慌てだした。痛い所を突かれるとはこのことだろう。急に慌ただしい話し方になり早口と必死さが出ている。

「し、知っていたかもしれない!しかし江坂君が殺された事と何の関係があるんだ」

しかし北条はそれを受け止め冷静に続けた。

「その時もう1人1階に向かっていた人物がいたのです」


 意外な切り口に勢いを寸断された様な顔に田中はなり、小倉にも意外に聞こえ、興味を引いた言葉だった。

「三崎さんですか」

しかし北条は否定しさらに意外な事を言った

「いいえ、男性です。コックです」

「お、おれが?」


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