疑惑
「問い詰めたのはその日がはじめてですか?」
「いいえ、これまで何回もあったわ。仕事の終わった時間とかだとなくなっちゃうから。今日は彼女の部屋で話すことにして約束したの。7時ころ行くって」
「そうだったのですか」
「それまでも何回か問答はあったんですけど。主任さんに文句言ってるのをかばってたわ!」
「問答はどんな感じでしたか?」
増田は過去のやりとりの状況を思い出した。
「こういう事があったの」
それは1か月前の仕事終了後だった。
「貴方は主任さんにお金をもらってたんでしょ。知ってるわよ!」
「交遊費は全てあなたに!」
次に女性給士たちのなかでアルバイターに聞くことになった。
「彼女たちは外側から様子を見てます。有力な情報を得られるでしょう」
アルバイターたちはうわさした。
「あの声何回も聞こえてたのよ」
「すごい勢いで問答してた」
もう1人が言った。
「仕事が終わってからもよく喧嘩してたよね」
北条はその様子から雰囲気を察した。小倉は北条に言った。
「何の事で喧嘩してたんですかね」
「人間関係を洗い出さなければ」
北条は増田に聞き込みをしていた。
「江坂さんとは普段からよく口論を?」
「ええ」
「しょっちゅうですか?」
「そうね。あの人が主任からお金をもらってると聞いた時からよ。」
「他の方も言っていますね」
「だからあの夜きっちり話をつけようとしたの。ずっとあの人と対立してたから私がやったんだと思われてるんだ」
「まだ証拠はありません。これから様々な物をあらいだします。」
「彼女には子供がいるんです」
「えっ子供?」
「だからそのお金をかせごうとしてたの」
「次はアルバイターさんたちに聞きましょう」
3人のアルバイターたちを迎えに行くと彼女たちは一旦休憩で北条達と話をする事になった。3人とも少し不安そうで何を聞かれるかとおどおどしていた。
「では皆さんに今回の事件についてお聞きします。江坂さんが殺された夜、どこでなにをしていましたか?」
「はい、私たち3人とも3階の休憩室でトランプをしていました」
「そうですか。他にはだれかいましたか?」
「三崎さんです」
「ああ、三崎さんですか」
「それで、出たり入ったりしましたか?」
「うーん、何分も席を外した人はいなかったと思います。」
「あっ、三崎さん!」
「えっ!」
「ほら、トイレに行くって言ってしばらく帰ってこなかった」
「そのお話詳しく聞かせて頂けませんか」
「トイレに行くって言って、少し席を外した後15分くらい帰ってこなかったんです」
「何時頃ですか?」
「たしか7時45分くらい」
「これは、かなり大きな手がかりですね」
「ええ、その時間は江坂さんが殺された時間に近いです。」
「ええ!じゃあ、三崎さんがまさか!」
騒然となった所で北条は停止した。




