ハウスキーパーの情報
「今聞き込み調査中かしら。手がかりを探してるんでしょ。だったらなんでも教えてあげるわ。人のうわさでも、人間関係でもなんでも」
「何でもって」
「じゃあ何か良い情報があったら聞きたいですね」
「じゃあ江坂さんについて何か特別な事を知っていますか?」
北条たちはあまり信じずうわべだけ真剣に聞くふりをした。東はあごに一指し指をやり斜め上を向いて思い出そうとした。さらに小倉が押した。
「このお屋敷の中で江坂さんが狙われたり誰かの恨みを買った事等はありませんか」
やがて東は切り出した。まるで自分が偉い人間か知者のようなそぶりで顎に手を当てた。
「うーん、そうねえ。お金のトラブルが多くあるみたい。会社のお金を込みで遊びに使ったり、チーフさんや主任さんがあやしいのよ。お金を管轄する人たちがずるしてるらしいの」
「ほう」
東はやけに自信満々だった。それをどう受け取っていいかわからなかった。
「会社のお金を経費として使い込んでいて遊びに行ってるらしいわ」
「それは確かな情報ですか?主任さんとチーフさんですね」
自分の知っている事を言えて東は満足そうだった。意外な情報を持っているかもしれないともう少し話を聞くことにした。
「ええそう。でそれがみんなに知れ渡っていてすごく不満を持っていて、抗議してやろうかと思ってたらしいわ」
少し小倉の興味がました。
「皆さんはそれにいらだっていたと言う事はそのせいで職場の雰囲気も悪くなっいたと言う事ですね」
「それに江坂さんはどうかかわっていたんですか」
「それがね江坂さんにお金が渡されてたらしいのよ」
東は顔に肘をつき回想したが身内の恥をさらすようで嫌そうだった。
「えっ本当ですか」
これは小倉の心を動かした。これには意表を突かれた。こんな有益な情報を得られるとは。
「うんお金を渡したと言うのを見た人が多くいて、江坂さんは疑念をいつも持たれていたわ。しかも江坂さんは主任に褒められることが多いの」
「そうだったんですか」
北条はだまって聞き役に徹した。自称情報通と言ってのぼせている彼女に期待はしていなかったが今は少しでも情報を集める必要がある。
「それでなくても江坂さんは他の人と口論になる事がおおかったわ。江坂さんのほうじゃなく江坂さんが言われる方なの」
「そうなんですか。その2人は事件の日だけでなく日常的にですかそういった事は?」
「うん今まで何回もあったわ。段々エスカレートしていったわ。江坂さんとは2人の人が主に口論してた。1人は第一発見者の増田さん。もう1人は同い年の三崎さんよ」
「では2人仲悪い人がいるんですね」
「増田さんは正義感の強い人でよく納得できない事を江坂さんに言ってたわ。いじめと言う感じじゃなくて」
廊下を歩きながら小暮は言った。
「あてになるんですかねえ」
「この際手がかりは全て集める必要がある」
「主任さんが怪しいわ」
と言う東に小暮は突っ込んだ。
「しかし根拠は?」
また得意げに東は言った。
「今から経理部に会わせてあげる」
4人は移動した。経理部と書かれた部屋をノックした。まだやはり作業中だった。
東は経理部担当に頼み収支表を北条たちに見せた。
「ほらこんな高い金額が使われてる。問い詰めようと思ったわ。怪しいでしょう。でもチーフさんたちは上手く目をごまかしているのよ」
「ハウスキーパーさん」
「犯人知ってるわよ。あの主任よ。私会計係の人と仲がいいのよ。それでいつも話してた。計算があわないって言うと主任さんがこれは「交遊費にしといてくれ」と言われるらしいの」
「そうなんですか」
会計係は
「ええまあ私も立場上色々記録を変えてくれとか頼まれて逆らえないんですよね。またこういう事もありましたね」
経理は回想して上司とのやり取りを言った。
「何の話かね?」
「チーフ、出支表に原因不明のものがありました」
「私の交遊費が高くついた。これは材料仕入れと書いておいてくれ。また皆に食事をおごったと」
「報告書を作る際記載をごまかすよう言われました」




