69話 神託を受けに、2人で向かいます。
寝坊しました。
「え、あれっ。なんでわたしこんな所にいるんですか?」
「パソコンは俺の私物だろ?つまり俺の道具だろ?神託空間に持ち込めるってわけだ。実際にそうできたしな」
「いやでも……うーん?不可解ではないか。でもできない可能性もあったんですよ?私は今ひとりの人間になったんですから」
「いやまあそうなんだけど、実際出来てるんだから問題ないだろ?」
「兄弟ゲンカはそれまで。マーク、ありがとうね」
「兄弟じゃないけどどういたしまして。と、こいつをどうするつもりだ?」
「少し様子見してたけど、直し方は分からないんだね?手出しをしない様なら、マークの監視下にある、という条件付きで生存を許可してやる」
「なんでそんなにエラそうなんです」
「こいつの!せいで!研究用の世界をもう一つシミュレータにかける必要が出来たから!」
「ああそういう……」
「ともあれ、ペットが暴れたら飼い主が責任とるのも必然だろ?ミントのタネを持ち込みやがって。研究できないんだよ……」
「誰がミントテロリストですか!」
「あんただよ!」
神様も俺のパーティに招いたらどうなるんだろう、なんて考えをするが、やめた方が良いという結論に至る。
精神年齢が俺と大差ない。
神様の実年齢っていくつだ。40億くらい?もっと?
「ともかくとして。こっちから神託をいくつか落としておくから、あんまり目立つ様な事はしないで。あと、そうだ。あんた弟か妹いなかった?」
「いや、いないぞ。実家暮らしで…両親は共働きだったな。爆発が起きた時も勤務中だった」
「だよねぇ……まあ良いや。なにかそっちで問題が起こるまではこっちの管轄、と。試験用の世界にはそっちを使えないけど、しばらくの間リソース配分はしてやれるから。50年くらいでいい?その辺りになったらそっちの自己エネルギーで世界を維持できるはず」
「50年って俺が生きてる様な……いや生きてないか」
もとの世界で4000年分くらい……だと思う。たぶん計算は間違ってるはず。
「とりあえず、ぱそこんのおじょーさんと話をしておきたいから、おにーさんはラーメン食べてていいよ」
「お、やったぜ」
「台所で勝手に作っていいよ、誰もいないはずだから」
「台所がどこにあるか分からないんだが……」
書斎から出て廊下の電気をつけ階段を降りる。
すごく日本みたいな感じだったが……玄関扉はない。
反対に目をやりリビングダイニングへ向かい、目的のものを探して台所に。
窓の外、庭に誰かがいる。なんだ、あれは。