62話 蘇生の現場ですが、立ち入りは許可されませんでした。
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戻ってきたのは4人組のパーティで、一人が担がれている。腐敗が起こっているようには見えず、しかし腹と背中から大量の血を流した形跡が服と肌に残っている。
話を聞くと、530層あたりでの戦闘で死んだらしく、ラミアの里に戻ってくるまでに9日かかったとか。
神官が蘇生……なんてことはなく、霊術魔法のスキルを持ったエルダーラミアによって蘇生が行われる。
死亡してから時間が経っているほど難易度が上がり、エルダーラミアのレベルでは17日程度が蘇生限界になる、と後から聞いた。
限界の半分ほどが経過していたので、里のいくつかの宿から抜け殻やらヒドラの牙やらを借りに行くことになったのだが。
シーナに指示してこっそり混ぜておいた[不死/Lv1]を見つけたエルダーラミアは変な声をあげ、そのまま俺たちやパーティを追い出し、密室で蘇生を実行し始めた。
2時間後に成功したことの報告と、しばらく安静にさせておくことの指示を受けた。不死スキルは蘇生中に消滅したらしい。
「500超えるところまでいくなんて、あんた達は実力者なんだろ?警戒のために、何があったか聞いてもいいか」
前に来た時からずっと宿泊していたと見えるパーティのリーダーが彼らに問いかける。俺も聞いておきたい、と言いながら近寄る。
コミュニケーションはとるのが難しいと思いながらも、話を聞くことができた。
400層は獣、500層は狩人、600層は地主を模していて、500層あたりでは狩人のようなゴーレムが出るらしいのだが、弓ではなく奇妙な形の武器から、金属片らしきものを撃ちだしてきたのだという。
正面からだというのに不意打ちのような形で受けたそれは、防御系スキルの発動も間に合わず彼の腹をぶち抜いたのだと言っている。
もしかして……と考え込む姿勢に入ろうとしたが、それは叶わなかった。
「それって、もしかしてこれと似たようなものでしょうか?」
ラミアが俺たちの方に近づいてきて、拳銃を見せてきたからだ。
銃には4発の弾丸が残っていて、少しばかり古くなっているようだが、素人目には普通に使えるようなものだと思う。油指してないから、とか清掃していないから動かない、などは分からないが。
火縄銃などを想像していたのだが違った。
拳銃。
学生時代に授業で調べた坂本龍馬の記事に書いてあったもの。
会社や型番の名前は忘れたが、それによく似ている。
上の方にいったパーティは、それだったと思う、と言っている。
蒸気機関が発達した産業革命の時期と、坂本龍馬が活動していた時期は、20年程度しか違わない。
これは、機械の連中と同じところから来ている。