60話 ダンジョンを進みますが、女の敵なようです。
3600pvありがとうございます。
活動報告程度になりますが、ツイッターアカウントで宣伝するようにしました。
101層からの敵。初っ端からナメクジだった。
しかもわりと積極的に動いてくる。
サマンサが、耳に痛いくらいの悲鳴を上げた後、土魔法で粉砕した岩塩をばら撒いていた。たまに毒持ちや魔法持ちがいるらしく、結構な速度で経験値がはいっていく。
「帰りましょう」
「帰ったところでここのダンジョンしか使えないんだからまた来ることになるんじゃないか」
エリナとシーナは、生理的な理由ではなく戦闘的な理由で苦手としているようだ。シルバーはあくびをしていたが、口に飛び込まれそうになってからは目の色を変えた。気配を察知する毎に火を放っている
ナメクジの集落……なんてものは無かったが、岩でできた巣があった。人の身長よりも大きく、ナメクジも頭くらいの大きさだ。
「シルバー、あの巣に弱くていいから火をつけて」
サマンサに言われシルバーが遠距離からの火を放つ。
巣が大爆発を起こした。ぼんっ、とか言った感じではなく、解体ドキュメンタリーでダイナマイトを吹っ飛ばした時に似ている。
うわ、なんかネトネトしたものが飛んできた。正面防御で防ぐが痛い。ダメージは……625万。
何か違和感を感じたが、なんだったのだろう。毒とかではない。
サマンサとシルバーの視線が、早く洗えと言いたげなモノに変わったくらいか。
俺は悪くないよな?
サマンサとシルバーは、寄ってくるナメクジも寄ってこないナメクジも区別なく遠慮なく焼き払い塩をかけた。
150層のボス、「ハウスラグ」の相談もする事なく、ボス部屋を満たすほどの塩を流し込み、火で炙り熱責めをした結果、数十秒で討伐してしまった。
怒涛の勢いだったと言ってもいい。
151層から出てくる敵は、スライムのようなモノ。
「ナメクジの親玉はスライムなのか……」
小さく呟く。
サマンサは気絶した。
そんなに苦手なのか。
そしてシルバー、俺を睨むな。
このままではどうしようもないと判断した俺は、一旦ラミアの里まで戻ることを提案した。
少しばかり道のりが長いが、皆提案に賛成してくれた。
作戦会議、それと今回の進退をどうするかという相談も兼ねてだ。
帰りはスムーズになるかと思ったが、途中で起きたサマンサが、やはりナメクジの殲滅を実行しようとしたために、少しばかり遅くなってしまった。
それでも、充分に早く着いたとは思うが。
というか、蛇は平気なのにナメクジはダメなのか……
「カエルもダメよ」
なんでカエル?
ああ、三竦みか、こっちの世界にもあるんだな。
むしろ何故蛇は平気なんだろう?
女の子の不思議を考えつつ、ラミアの里に戻り宿をとった。