6話 勉強のじかんなので、記憶力を使います。
設定説明です。
この都市のつくりについて。
まず、半径が75キロほどの円形に近い形をしている。中央から南寄りの場所には行政機関が集まっている。北側に向けて支配地域を拡張して行ったのが理由のひとつとされている。
行政区中央から半径15キロあたりにまでいわゆる城下町…城ではないのでその表現は正しくないが広がっている。その外側、半径15〜45までの間に、北側は産業区、南側が高級住宅街となっている。
それぞれ東西の境界には幅300mの道が敷かれていて、争いを軽減するために役立っている。境目の商業区は、西側が機織、東側が食料関係となり、騒音が行かないように配置されている。
45〜65キロ地帯は、南には軍事関連の基地、城壁からのいくつかの道が通っている。
西側では農耕牧畜が行われており、自給率はそれなりに高い。東側は少し円を欠くような形で大河に繋がっていて、そこから運河にアクセスできるようだ。また、こちらにも軍詰所がある。
北側は50〜70キロ範囲まで森林地帯があり、森林地帯と濃厚地帯の間に、小さい貧民街がいくつか点在している。名目上は農耕をしていることになっているらしい。
北の森林と東大河側を除いた方向に、3枚の城壁があるらしい。城壁の厚さもかなりのもので、中に入ることも可能だとか。管理も軍人だ。
俺たちがいるのは城下町北東側、東側の港にも交通が便利な位置だ。
一番近隣の都市は第1327都市、西側に120キロほど離れたばしょだそうだ。
「んー、お酒一本では地理の勉強代金には多かったかも。生物学の講義でも垂れ流してしまおうかしら」
そういってサマンサは、俺の知りたい情報を教えてくれる。
まずは人間について。
種族としての人間と、エルフ、ドワーフ。この3種を、人類種と呼称する。俗称として、まとめて人間と呼ぶ。外見からは区別がつかないし、特別強い帰属意識がない限りは、自分の種族を強く主張することはない。
次に獣人、もしくは亜人。
獣の混じったような外見をしたヒト。獣度合は親族に影響されやすい。血族によっては、完全な獣の姿のまま生涯を終える者もいるらしい。
また、外見に近い動物の能力、例えば爪の出し入れだとか空を飛べるとか、そういった能力を持っているものもいる。先の例外のような血族以外は獣度合を調節できるが、外見的特徴を一切隠すことはできない。差別のあるような地域では、バンダナや帽子は手放せないそうだ。
続いて魔族。
土地の魔力などによって肉体が汚染されてしまった人間と獣人のこと。魔法が上手だとかそういうことはないが、魔法抵抗のスキルをほぼ確実に持っている。
外見のせいで誤解されがちだが、人間と性質はほぼ同じ。だが各地で人魔戦争があったり止んだりする。
魔獣、魔物。
魔力で変質した生物。ゴブリンだとかスライムとかもここに分類される。虚無から発生したものが普通の生物のように繁殖して無尽蔵に増える。
生態系に影響がある場合もあれば、こいつらを含めて生態系が成立している場合も。駆除依頼が出る場合は、その地域にいるものを殲滅して問題ない。
自然発生したものが魔物、繁殖で生まれたものを魔獣と分類するため、同一種でも呼び分けられる。が素人目では区別がつかないので、気にすることはないだろう。
霊獣
ドラゴンや島ガメなど、伝説にも残っているような生物。
ん……それだけ?
その他にも魔神、妖精などを召喚獣として使えるとか。そのあたりまで聞いていて、眠気が強くなったのと、勉強代はここまで、と言われたのでその日はお開きになった。